
救助活動の動画はこちら
(海上保安庁 公式YouTube)
令和6年11月23日午後6時10分頃、神戸港西航路付近海域において、外国籍貨物船から第五管区海上保安本部に対し「押船と衝突した。押船には3名が乗船していたようであり1名は救助し、2名が行方不明になっている。」との通報があり、直ちに巡視船艇及び航空機(機動救難士同乗)を現場に急行させました。
また、事故発生時はすでに日没後であり、かつ、航路筋付近における海難であったため、機を逸することなく特殊救難隊を派遣しました。すでに救助されていた1名の証言から、押船「奨栄丸」の船内に2名が取り残されている可能性があるとの情報を得て、巡視艇「はるなみ」潜水士が潜水捜索を開始し、要救助者1名を発見・救助するとともに「奨栄丸」船内から打音を確認、その後、来援した特殊救難隊とともに、事故発生からおよそ6時間後の24日午前零時20分頃、生存者1名を救出することに成功しました。
救助した方からは、「船内が真っ暗で絶望感しかない中、まさか助かるとは思っていなかった。感謝の言葉しかない。」とお礼の言葉をいただきました。
現場での対応は日没後の視界の制限に加え、狭所での作業といった多くの危険を伴う厳しい環境下におけるものでしたが、関係職員一人ひとりが「必ず救助する」との熱い「救魂」の思いを持ち、的確な判断力及び並外れた潜水技術などを存分に発揮した結果、救助を完了することができました。
海上保安庁では引き続き、関係機関等との連携を強化するとともに迅速かつ的確な救助活動を行っていきます。

転覆した押船の状況

要救助査者確保の様子