令和6年7月、海上保安庁最大かつ最新鋭の練習船である「いつくしま」が就役しました。
「いつくしま」は、「海上保安能力強化に関する方針」に基づき、増加する学生・研修生への対応と効率的な乗船実習を実現するために建造された練習船であり、これまで海上保安大学校の練習船として乗船実習を行ってきた「こじま」の役割を受け継ぎます。
「いつくしま」の最大の特徴は上下二階層に分かれた「二重船橋」(航海船橋、実習船橋)であり、それぞれで航海当直実習を行うなど、効果的かつ効率的な実習を可能としています。
また、授業等を行う「学生教室」に加え、レセプションや訓練等で使用する「多目的室」なども有しています。
就役後の令和6年8月には、海上保安大学校の所在する広島県呉市において、「いつくしま」の就役を記念した就役披露式が挙行され、多くの地元関係者の祝福を受けました。
式典には国土交通大臣が出席し、祝辞の中で、「これまで海上保安庁の礎となる海上保安官を育ててきた歴代練習船の伝統を引き継ぎ、人材育成という重要な任務に、強い使命感をもって取り組んでいただきたい」と、激励の言葉を送りました。
就役披露式後は早速、海上保安大学校の練習船として乗船実習を実施しており、学生・研修生は船舶運航に関する知識技能を身に付けるとともに、海上保安業務に関する知識を習得します。
なお、令和7年度には、諸外国をめぐる遠洋航海実習を、「いつくしま」として初めて実施します。
「いつくしま」は、海上保安庁の宝である学生・研修生を育成し、海のプロフェッショナルとしての能力を備えた未来の指揮官を輩出していきます。


練習船いつくしま

航海当直の様子(航海船橋)

多目的室

学生教室での授業の様子

航海当直の様子(実習船橋)

就役披露式の様子