Column Vol.14
瀬取りによる密輸事件を相次いで摘発!
警備救難部国際刑事課
瀬取りによる密輸事件を相次いで摘発!
警備救難部国際刑事課
海上保安庁では、令和元年以降5年ぶりとなる小型船舶を利用した瀬取りによる薬物密輸入事件など複数の瀬取りによる密輸入事件を摘発し、薬物等の密輸を水際で阻止しました。
小型船舶を利用したコカイン密輸入事件
第三管区海上保安本部は、独自に入手したコカイン密輸情報を基に、国際組織犯罪対策基地及び警察・税関・麻薬取締部と合同捜査を行うとともに、船艇・航空機による監視を行った結果、令和6年5月に千葉県館山市西方海上において海上漂流物に接近する小型船舶を確認、同小型船舶が海上漂流物を回収し、同市相浜漁港へ陸揚げしている現場に捜査員が急襲、当該小型船舶が回収した海上漂流物がコカインであることを認めたことから、日本人3名、外国人5名を麻薬及び向精神薬取締法違反(営利目的所持)で逮捕するとともに、コカイン約178kg(末端密売価格約44億円相当)を押収しました。
瀬取りによる違法薬物の密輸入事件の摘発は令和元年以来であり、一度のコカイン押収量としては、海上保安庁が取扱った事件のなかで過去3番目でした。


日韓国際フェリー等を利用した金地金密輸入事件
第七管区海上保安本部等は、海上保安庁の船艇・航空機等の勢力を駆使したうえ、長期にわたり税関と共同による内偵捜査を実施した結果、日韓国際フェリーと日本の小型船舶を利用した瀬取りによる金地金の密輸形態を明らかにし、令和6年11月に愛媛県今治市沖合の海上において、同フェリーから海上に投下された金地金を同小型船舶が回収し、同市所在の浮桟橋に着岸したところに捜査員が急襲、日本人4名及び韓国人9名を関税法違反(無許可輸入)の疑いで逮捕するとともに、金地金約40キログラム(鑑定価格約5億円相当)を押収しました。
瀬取りによる金地金の密輸入事件の摘発は平成29年以来であり、一度の金地金押収量としては、海上保安庁が取扱った事件のなかで過去2番目でした。

