海上保安レポート 2025

はじめに


TOPICS 海上保安の1年


特集 平和で美しく豊かな海


目指せ!海上保安官


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 生命を救う

2 治安の確保

3 領海・EEZを守る

4 青い海を守る

5 災害に備える

6 海を知る

7 海の事故を防ぐ

2 治安の確保 > CHAPTER II. 国内密漁対策
2 治安の確保
CHAPTER II. 国内密漁対策

我が国周辺海域の豊かな水産資源は決して無尽蔵ではなく、生態系のバランスを保ち水産資源を枯渇させないために漁獲量や操業方法・区域・期間に制限をかけるなどのルールが設定されています。しかしながら、ルールに従わない一部の漁業者による違法な操業や、資金確保を目論む暴力団等による水産資源の乱獲が後を絶ちません。

海上保安庁では、密漁被害を受ける地元漁業者等からの取締り要請にも適切に対応するため、関係機関や地元自治体と連携・協力し、それぞれの地域の特性に応じた取締りを行い、漁業秩序の維持を図っています。

令和6年の現況

令和6年の国内密漁事犯の送致件数は2,621件で、前年に比べ52件減少したものの、令和4年以降、3年連続で2,500件を超える水準で推移しており、依然として密漁事犯が後を絶たない状態が続いています。

密漁は、実行部隊と買受業者が手を組んだ組織的な形態で行われるもののほか、暴力団等による組織的かつ大規模に行われる事例も見受けられ、その手口は悪質かつ巧妙です。

また、漁業者ではない海水浴客などが個人消費を目的として密漁する事例も多く見受けられます。

今後の取組

海上保安庁では、監視能力の更なる向上や採証資機材等の充実を図り、悪質・巧妙化する密漁事犯の厳格な監視・取締りを実施するとともに、引き続き、関係機関や漁業関係団体等との緊密な連携を図ることで、地域の特性に応じた未然防止策等の総合的な密漁対策を推進し、漁業秩序の維持に努めていきます。