昨今、科学技術の発展は目覚ましく、日々刻々と進歩しています。海上保安庁では、これまでも新技術の積極的な活用、情報通信システムの強靱化等のサイバー対策に取り組んでいるところであり、令和4年10月に無操縦者航空機「シーガーディアン」の運用を開始し、令和5年5月には3機体制とし、24時間365日の海洋監視体制を構築しました。
今後は、更にこの取組を推進するため、令和6年4月から新技術活用推進官というポストを設置しており、海上保安庁全体の新技術の導入を加速化させ、効果的かつ効率的な業務の遂行を目指すとともに、危険な業務への支援や回避に役立てることとしています。
現在、この取組の一環として大型ドローンの海上保安業務への活用について検討を開始しています。海上保安庁が保有している24時間以上の航続可能な無操縦者航空機、施設点検や被害状況確認のための小型ドローンの中間に位置する大型ドローンは、長い航続可能距離や可搬性を備えており、海難救助への先行投入、航路などの状況確認への活用が期待されます。
また、サイバーセキュリティ上の新たな脅威に対抗するため、令和5年4月にサイバー対策室を設置するとともに、多数の人工衛星を連携させて一体的に運用する「衛星コンステレーション」などの新技術について調査研究を行い、衛星通信回線の秘匿性強化や複数の衛星通信回線の導入による回線の冗長化などの情報通信システムの強靱化やサイバー対策を推進しています。
引き続き、新技術の積極的な活用に向け、日々刻々と進歩する新技術の最新の動向を俯瞰しながら、新技術の海上保安業務への導入やサイバー対策を進めていきます。
シーガーディアン(左から1号機、2号機)
シーガーディアン(3号機)
サイバー対策