「海上保安レポート2024」を手に取っていただきありがとうございます。
皆さんは「海上保安庁」と聞いて思い浮かぶことは何がありますか?
海上保安庁は、海の警察、消防、救急として、昼夜を問わず日本全国あるいは世界の海で国民の皆様の安全・安心を守っている組織です。海で犯罪が起きたとき、海で船舶などの火事が発生したとき、海で人が溺れたときをはじめ、海で起こるあらゆる事件・事故に対応しています。
海上保安庁の巡視船艇や航空機、そして海上保安官の存在は、海が身近な方にとっては、知られた存在ですが、そうでない方は見たこともないかもしれません。
「海上保安レポート2024」では、海上保安庁の存在を身近に感じて頂くため、特集「海をかけるひと」と題して、正義仁愛の精神に懸け、海を舞台に駆け回り、世界の海をつなぐ橋を架け、平和な海の継承という未来を描(か)ける海上保安官という「ひと」にフォーカスして、海上保安官の1日の仕事内容やスケジュール、現場などで活躍する海上保安官の声を盛り込んでいます。また、本編でも多くの海上保安官の声を紹介しています。
海上保安官は24時間365日、今この瞬間も、日本の海をはじめとした様々な場所で様々な業務に対応しています。日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増し、それに伴い海上保安庁の役割が重要になっていますが、令和の時代に入り、人材確保難や離職者の増加などの様々な課題にも直面しています。
海上保安庁では、これら課題の解決のため、業務の効率化や働きやすい職場環境の醸成などを推進し、海上保安官一人ひとりが、自身や家族との時間を充実させ、やりがいを持って働き続けてもらうための環境を整備し、国民の皆様のご期待に応え続けることができる組織を目指します。
本書をお読みになり、海上保安庁に対するご理解が少しでも深まり、また、海上保安官を志す方が増えれば幸いです。
令和6年5月