我が国は周囲を海に囲まれた島国です。古くから、海を通じて多くの人や物が行き来し、漁業による海の恵みが人々を育んできました。
今日においても、我が国周辺海域では、漁業、海上輸送、レジャー、科学的調査等の様々な活動が行われています。
これらの活動を通じて、私たちが海洋の豊かさを実感するためには、安全で安心な海の実現が必要です。
第五管区海上保安本部では、発足以来、海上における治安の確保を大きな任務として活動してきました。
1.海上犯罪の現況
(送致とは、マスコミ等、一般に書類送検と呼ばれているものです。)
第五管区海上保安本部では、引き続き、船舶の無資格運航や密漁、密輸・密航、油及び廃棄物の不法排出など、日夜、厳格な取締りを行っています。
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2.国内密漁対策
密漁は、水産資源の枯渇という問題に留まらず、その不正な利益の一部が暴力団の資金源となっていることから、警察など関係機関と協力して厳格な取締りを実施しています。右は、夜間、密漁監視中の海上保安官が潜水機密漁漁船を発見した状況の写真です。 | |
逃走する密漁船を、約6時間、距離にして約200海里(約370km)を追跡 | |
密漁者3名を現行犯逮捕 密漁したナマコは約340kgにも上りました。 |
3.外国船舶による密漁等への対策
我が国周辺諸国との間には、各種漁業協定が結ばれており、外国漁船はルールに従った操業が義務づけられています。しかし、近年では高速・高性能な外国漁船が、中間線付近の日本側EEZ(排他的経済水域)内で違法に操業し、巡視船艇の接近を察知すると、相手国側にすばやく逃げ込むと言った、悪質で巧妙な事例が見られます。海上保安庁では、我が国水域の漁業秩序を維持するため、徹底した監視取締りを行い、違法操業を行う外国漁船の根絶を図ります。
4.密輸・密航対策
薬物・銃器犯罪や外国人による犯罪などの多くは、暴力団や国際犯罪組織が関与する密輸・密航事犯に端を発していると考えられるため、これらを水際で阻止すべく取組んでいます。5.海賊対策
世界の海上交通路の要衝であるマラッカ・シンガポール海峡を含む東南アジア周辺海域やソマリア周辺海域において、海賊・海上武装強盗(以下、「海賊」という。)による被害が続いています。特に、ソマリア周辺海域で発生する海賊事案は重火器を所持した海賊が乗組員を人質に取り身代金を要求するといった凶悪なものが大部分を占めており、近年社会的にも注目を集めています。海賊事案への対応は、海上における人命・財産の保護、治安の維持等を任務とする海上保安庁が一義的な責務を有するものです。海上保安庁ではそれぞれの海域における周辺諸国の状況等をよく把握した上で、適切に海賊対策を行っています。
6.テロ対策
【経緯】
第五管区海上保安本部では、平成13年9月11日の「米国同時多発テロ事件」以降、第五管区海上保安本部内に国際テロ警備本部を設置し、テロの未然防止のため警戒体制を執っています。
『テロへの対応』
【重要施設への警備】
巡視船艇・航空機により、危険物施設、エネルギー関連施設等を警戒しています。
【SOLAS条約への対応】
「国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律」(平成16年7月1日施行)に基づき、外国から日本に入港する船舶に対し、厳正な審査を実施しています。
7.不審船・工作船対策
海上保安庁では昭和23年の発足以来、これまで21隻の不審船を確認しています。その中でも、平成11年、13年の不審船・工作船の事案は、多くの国民の注目を集めました。不審船・工作船については、例えば平成13年の例では、捜査の結果、不審船が覚せい剤の運搬及び受け渡しのために行動していた疑いが濃厚とされました。
海上保安庁は、我が国周辺海域における不審船・工作船の活動を未然に防止するために、巡視船艇・航空機による不審な船舶に対する監視・警戒を強化するほか、発見時にはこれを確実に停船させて立入検査を実施し事案の解明に努め、海上の安全の確保と秩序の維持を目指します。
最終更新日:2015年8月 3日 12:43
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