海上保安レポート 2016

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 法治平安の海を護る


海上保安官の仕事


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 交通の安全を守る


語句説明・索引


図表索引


資料編

1 治安の確保 > CHAPTER II 国内密漁対策
1 治安の確保
CHAPTER II 国内密漁対策

我が国周辺海域の豊かな水産資源は決して無尽蔵ではありません。漁獲量や操業区域・期間に制限をかけるなどのルールが設定され、これに従い操業することにより、資源を枯渇させないようにしています。しかしながら、一部の漁業者による違法な操業や資金確保を目論む暴力団等による水産資源の乱獲が後を絶ちません。

海上保安庁では、地域の漁業者や関係機関とも連携・協力しつつ、悪質な密漁事犯の徹底した監視取締りを行い、漁業秩序の維持を図っています。

平成27年の現況
なまこ潜水器密漁押収物
なまこ潜水器密漁押収物
 
密漁に使用されたウェットスーツ等
密漁に使用されたウェットスーツ等

平成27年の密漁事犯の送致件数は2,448件で、前年に比べ12件増加し、7年連続で2,000件を超え、依然として高い水準で推移しています。

密漁は、実行部隊と買受業者が手を組んだ組織的な形態で行われるもののほか、取引価格の高い漁獲物に目をつけた暴力団が資金源とするために関与する場合も見受けられ、その手口は悪質かつ巧妙です。

海上保安庁では、悪質・巧妙化した密漁事犯に苦慮する、地元自治体や地元漁業者からの要請にも適切に対応するため、地域の特性に応じた取締りを行うなど、悪質な密漁事犯の根絶を図っています。

今後の取組み
漁業関係法令違反の送致件数の推移
漁業関係法令違反の送致件数の推移

海上保安庁では、捜査能力の更なる向上や採証資機材等の充実を図り、悪質・巧妙化する密漁事犯の厳格な監視取締りに努めます。また、引き続き、関係機関や漁業関係団体等との緊密な連携を図ることで、地域の特性に応じた未然防止対策等の総合的な密漁対策を推進し、漁業秩序の維持に努めていきます。