平成15年11月に免許や船舶検査が不要な船舶(以下、ミニボート)の範囲が拡大されました。
ミニボートとは、次のすべての要件を満たす船舶を言います。
船の長さ3m未満
推進機関の出力が1.5KW未満(約2馬力)
直ちにプロペラの回転を停止することができる機構を有する船舶
その他のプロペラによる人の身体の障害を防止する構造を有する船舶
詳しくは、日本小型船舶検査機構のウェブページをご覧ください。
危険その1 知らない怖さ
ミニボートは免許のいらない船舶なので、海や船、海上交通ルールをまったく知らなくても船長になれます。でも、ルールやマナーを知らないまま、自由気ままに運航することは、自分の船はもちろんのこと他の船にも危険をもたらしてしまいます。
基本その1 海のルールを守る
危険その2 転覆
ミニボートは車にも簡単に積むことができるなど、コンパクトに構成されている反面、海の上では手こぎボートなどと同様に気象(波・風)や他船の航走波の影響を受けやすく、転覆して海上に投げ出される危険性が高いのです。
基本その2 風が強いとき、波が高いとき、不安なときは、きっぱり出航中止。
危険その3 衝突
ミニボートはその名のとおり小さく高さも低いことから、他の船舶から存在を把握されにくく、衝突される危険性があります。さらに夜間や霧のときなど、視界が制限されているときはよりいっそう危険性が高まってしまいます。
基本その3 視界のすぐれない早朝や夜霧のときにはボートに乗らない。昼間でも目立ちやすい服を着る。
危険その4 漂流
ミニボートは推進機関の出力が小さいことから、潮流に流されて海岸へ戻れなく危険性があります。
基本その4 無理に大勢で乗船したり、海岸から遠く離れるような航行はしない。
危険その5 海中転落
ミニボートは小さく軽いため安定性が良くありません。波や他船の航走波により大きく揺れて、乗船者が海中転落してしまうことがあります。また、急に立ち上がったり船内で大きな動きをするだけでも、予想外の船体動揺を起こすこともあります。
基本その5 船体動揺に留意しましょう。そして、自分の命は自分で守る。自己救命策を確立しましょう。
自己救命策
1 ライフジャケット常時着用
2 連絡手段の確保
(携帯電話を防水パックに入れて)
3 もしものときは118番
(海上保安庁緊急連絡用電話番号)
海上でミニボートを見かけたら・・・
これまでの説明どおり、ミニボートはいわば海上の交通弱者です。
貨物船やタンカーなどの一般船舶はもちろん、プレジャーボートや水上オートバイ、漁船に乗るあなたは、次のようなことを心がけてください。
適切な見張りを行い、ミニボートを早期に発見できるようにしましょう。
ミニボートのそばを航行しないようにしましょう。
ミニボートを見つけたら早めに避航するようにしましょう。
最終更新日:2017年4月 7日 16:59