海上保安レポート 2025

はじめに


TOPICS 海上保安の1年


特集 平和で美しく豊かな海


目指せ!海上保安官


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 生命を救う

2 治安の確保

3 領海・EEZを守る

4 青い海を守る

5 災害に備える

CHAPTER I. 事故災害対策
CHAPTER II. 自然災害対策
Column Vol.17 令和6年奥能登豪雨への対応
Column Vol.18 令和6年能登半島地震及び奥能登豪雨で被災した航路標識の復旧

6 海を知る

7 海の事故を防ぐ

5 災害に備える > Column Vol.18 令和6年能登半島地震及び奥能登豪雨で被災した航路標識の復旧
5 災害に備える
Column Vol.18
令和6年能登半島地震及び奥能登豪雨で被災した航路標識の復旧
交通部整備課

能登半島では、令和6年1月1日の地震及び同年9月21日の豪雨により、灯台をはじめとする航路標識及び関係施設に甚大な被害が生じました。

令和6年能登半島地震では、地震直後に電力会社からの電力供給が途絶えたことによる消灯、灯器の損傷、周辺地盤の隆起による灯台の傾斜等の被害が20箇所の施設で生じました。

また、令和6年奥能登豪雨では、一部の灯台で周辺の敷地及び巡回路が崩壊したほか、交通道路の損壊により灯台へ辿り着くことが不可能な状態となりました。

海上保安庁では、これら被害を受けた施設の復旧作業を進めているところですが、このコラムでは、このうち令和6年度末に復旧した石川県珠洲市に所在する禄剛埼(ろっこうさき)灯台について紹介します。

禄剛埼灯台は、能登半島の先端に位置し、付近を航行する船舶の指標として船舶交通の安全確保を支えている灯台です。しかし、地震によるレンズの破損により、灯火を正常な状態で点灯させることができなくなりました。使用していたレンズは、明治期に設置されたもので、現在では同様のレンズは製造されておらず、またレンズを修復できる職人もいません。このため、最新の「LEDユニット型灯器」を設置し復旧させました。

このように、能登半島では地震及び豪雨により多くの航路標識及び関係施設に被害が生じました。海上保安庁では、引き続きこれらの早期復旧に取り組み、船舶交通の安全確保を通じて被災地を支えていきます。

禄剛埼灯台・レンズ(被災前)
禄剛埼灯台・レンズ(被災前)
レンズ(被災後)
レンズ(被災後)
復旧状況
復旧状況