海上保安庁では、船舶交通の安全と運航能率の向上を図るため、灯台をはじめとする各種航路標識を整備し管理しているほか、様々な手段を用いて、航海の安全に必要な情報を迅速かつ確実に提供し、船舶事故の未然防止に努めています。
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6 交通の安全を守る
CHAPTER III 航行の安全のための航路標識と情報提供
海上保安庁では、船舶交通の安全と運航能率の向上を図るため、灯台をはじめとする各種航路標識を整備し管理しているほか、様々な手段を用いて、航海の安全に必要な情報を迅速かつ確実に提供し、船舶事故の未然防止に努めています。 1 AIS信号所の運用
海上保安庁では、付近を航行する船舶に搭載されたAIS受信機等に航路標識の位置や種類等をシンボルマークで表示し、霧等の視界不良時において有効な指標となるAIS信号所を関門海峡、浦賀水道、伊予灘、伊良湖水道、明石海峡、友ヶ島水道の実在する航路標識に順次設置し、運用しています。 また、平成27年11月1日より、実際には存在しない航路標識を航海用レーダー等の画面上にシンボルマークで仮想表示させるバーチャルAIS航路標識の運用を、伊良湖水道航路、明石海峡航路及び由良瀬戸の3か所で開始しています。
国際航路標識協会(IALA)との協力活動
海上保安庁では、平成28年2月に、次世代AISであるVDES(VHF Data Exchange System)の国際標準化を図ることを目的に、「VDES開発のためのIALAワークショップ」を国際航路標識協会(IALA)と共同で開催しました。ワークショップには、22の国や組織から、63人のAISの専門家が参加し、VDESの運用コンセプトなどについて議論を行いました。ワークショップの成果として作成された、VDESの性能基準試案の作成作業を提案する文書は、今後IMOに提出され、さらに議論されることになっています。 また、ワークショップ初日に行われたオープンフォーラムでは、AISの専門家からVDESの開発に関する国際動向などについての講演が実施され、一般の方を含む143人が聴講しました。
2 海の安全情報の提供
海上保安庁では、情報の把握不足による海難を防止することを目的として、プレジャーボート、漁船等の船舶運航者や磯釣り、マリンレジャー愛好者の方に対して、全国各地の灯台などで観測した風向、風速、波高などの局地的な気象・海象の現況、海上工事の状況、海上模様が把握できるライブカメラの映像など、海の安全情報を提供しています。 さらに、24時間体制で海上保安庁が発表する緊急情報等を、事前に登録されたメールアドレスに電子メールで配信するサービスを提供しています。
3 水路図誌、水路通報、航行警報
水路図誌
海上保安庁では、水深や浅瀬、航路の状況といった航海の安全に不可欠な情報を、海図等の水路図誌として提供しています。 水路通報
航路標識の変更、地形及び推進の変化等、水路図誌を最新に維持するための情報や、船舶交通の安全のために必要な情報を水路通報としてインターネット等で提供しています。平成27年は約2万4千件を提供しました。 航行警報
航路障害物の存在等船舶の安全な航海のために緊急に周知が必要な情報を衛星通信、無線放送、インターネット等により航行船舶に対し提供しています。 また、利用者が視覚的に容易に把握することができるよう、警報区域等を地図上に表示したビジュアル情報をインターネットで提供しています。
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