巡視船艇における仕事は、海難救助・警備・犯罪捜査などの業務だけではなく、船艇の運航・整備などの仕事もあります。すべての巡視船艇の職員は、これら様々な仕事を行っています。
巡視船における業務例
捜索救助
海難等の連絡を受けた場合、現場へ急行し、海上及び上空から海難船舶や漂流者などの捜索を行います。発見後は、巡視船艇・航空機への揚収や、海難船舶からの退避誘導などの人命救助を行います。また、海難船舶が航行できない場合には 、えい航を行い船舶の安全を確保します。
パトロール(しょう戒)
海上における犯罪やテロ行為などの未然防止、船舶交通の安全確保・航法指導、その他海上における不審事象の確認のため、パトロール(しょう戒)を行っています。
捜査・立入検査
海上保安官は船舶への立入検査を実施することで法令違反を予防します。また、司法警察職員として、海上のあらゆる犯罪に対し捜査を行い、解明します
災害対応
大規模な地震や津波、火山の噴火などの自然災害が発生した場合、避難住民や物資の搬送などを行います。また、海難によって流出した油の回収作業や拡散防止、船舶火災の消火活動なども行います。
巡視船の勤務 (大型巡視船の一例)
船長
船舶の運航にかかる全般を統括し、指揮監督する最高責任者です。
業務管理官
業務計画などを企画立案し、業務全般を統括しながら船長を補佐します。船における業務監督責任者です。
航海科職員
(航海長、首席航海士、主任航海士、航海士、航海士補)
船舶の運航、整備や航海機器の操作などを担当します。具体的には、操船や船橋での見張りのほか、航海計画の立案、船体の手入れなどを行います。
機関科職員
(機関長、首席機関士、主任機関士、機関士、機関士補)
船舶の動力部であるエンジンの運転管理や整備、燃料油の管理などを担当します。そのほか、船内生活で必用な電気(発電機など)の管理 も行います。
通信科職員
(通信長、首席通信士、主任通信士、通信士、通信士補)
通信の運用、情報の処理、通信機器の整備などを担当します。様々な通信機器を使用して、他の巡視船艇や一般船舶、陸上通信所などと通信を行い、情報交換や情報提供を行います。
運用司令科
(運用司令長、首席運用司令士、主任運用司令士、運用司令士、運用司令士補)
情報の収集・分析、対処方針の立案・調整を担当します。
主計科職員
(主計長、首席主計士、主任主計士、主計士、主計士補)
船舶での庶務や経理、物品等の管理、調理、看護等を担当します。