海上保安レポート 2024

はじめに


TOPICS 海上保安の1年


特集 海をかけるひと


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 生命を救う

2 治安の確保

3 領海・EEZを守る

4 青い海を守る

5 災害に備える

6 海を知る

7 海上交通の安全を守る

8 海をつなぐ


語句説明・索引


図表索引


資料編

6 海を知る > Column Vol.15 ゴジラが海底に!?
6 海を知る
Column Vol.15
ゴジラが海底に!?
海洋情報部技術・国際課

2023年、海底地形名小委員会(SCUFN)において、特徴的な海底地形に「頭(ヘッド)」、「腕(アーム)」、「尾(テール)」、「脚(レッグ)」等、ゴジラの身体の名称を付与した日本の提案が承認されました。

近年は調査機器の能力向上により、広く面的に海底地形データを取得、分析し、より詳細に海底の地形を知ることができるようになってきました。こうして明らかになった海底地形の名称を、国際的に標準化する学術的な委員会が海底地形名小委員会(SCUFN)です。

東京の南方約2000km、フィリピン海プレート上の海底に、ゴジラメガムリオン地形区があります。ゴジラメガムリオンは、縦約125km、幅約55km、これは東京都の面積の約3倍にも及びます。その巨大さから、世界的に有名な東宝の映画の主要なキャラクターである巨大怪獣「ゴジラ」に因んで、ゴジラメガムリオンと研究者の間で名付けられ、その中の特徴的な海底地形に、ゴジラの身体の部位の名称が付与されました。今回承認された海底地形名は、今後、地図、海図や学術論文などで使われることになります。

ゴジラメガムリオンは海洋科学において非常に重要な研究対象です。日本を中心とする国際的研究グループによる調査の結果、フィリピン海プレートの組成・構造に関する重要な研究成果が得られているなど、地球内部構造等の解明に極めて重要であると考えられています。

海上保安庁では、引き続き海洋調査によって判明した海底地形に適切に名称を付与し、SCUFNへの登録を通して国際的な普及に努めていきます。

ゴジラメガムリオン地形区の位置
ゴジラメガムリオン地形区の位置
ゴジラメガムリオン地形区
ゴジラメガムリオン地形区
1.ハット海嶺(Hat Ridge) 2.ヘッド峰(Head Peak) 3.西ショルダー海嶺(West Shoulder Ridge)
4.ネック峰(Neck Peak) 5.東ショルダー海嶺(East Shoulder Ridge) 6.西アーム海膨(West Arm Rise)
7.バックボーン海膨(Backbone Rise) 8.東アーム海膨(East Arm Rise) 9.西ヒップボーン海膨(West Hipbone Rise)
10.北テール海膨(North Tail Rise) 11.東ヒップボーン海膨(East Hipbone Rise)
12.西レッグ海嶺(West Leg Ridge) 13.南テール海膨(South Tail Rise) 14.東レッグ海嶺(East Leg Ridge)