与那国島における台風21号による災害への対応 最大瞬間風速81.1m/sを観測(国内観測史上4位)
第十一管区
電柱折損 |
平成27年9月28日、大型台風21号が与那国島を直撃し、最大瞬間風速81.1m/sの記録的な暴風を観測、与那国島内の被害は甚大で、風力発電の羽根の折損、体育館の屋根の一部飛散、電柱折損、陸揚げ中の漁船5隻が横転、住家約300棟損壊など災害救助法が適用される大規模な被害が発生しました。
厳戒態勢を敷いていた石垣海上保安部は台風通過後直ちに巡視船「ざんぱ」を与那国島へ派遣し、沿岸部の周回調査を実施し、その後乗組員を上陸させ与那国町役場へ向かわせました。乗組員は「島民が無事であればよいが……」との思いを胸に島内の被害調査に当たるとともに、石垣航空基地は所属航空機を与那国島へ派遣し、空からの調査を実施し、陸・海・空のあらゆる方向から調査を行いました。この時の調査で得られた画像等の情報は速やかに県や与那国町に情報提供され被害状況の早期把握に貢献し、マスコミ各社にも提供された事により、全国に与那国島の被害状況が伝わることとなりました。これは台風通過後、直ちに与那国島へ上陸したのは報道機関も含め海上保安庁(石垣海上保安部)が初めてだったためです。
一方、島では断水状態になっているとの情報を受け、石垣海上保安部は巡視船「みずき」及び「ざんぱ」による給水支援体制を確立しました。また、全世帯で停電が発生しており電力供給の早期復旧が求められる状況で、電力会社関係職員が復旧作業にあたっておりましたが、人手が足りず、県から災害対策基本法に基づく要請を受け、電力会社関係職員10名を巡視船「みずき」により与那国島へ搬送し、被害の早期復旧に貢献しました。
今回の台風では、幸いにも大きな海難事故や人的被害は発生しませんでしたが、台風常襲地域である十一管区職員にとっても自然の恐ろしさをあらためて感じさせる事案でした。
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