姫路港沖タンカー爆発炎上事故から1年の取組み
第五管区
世界遺産「姫路城」の平成の大修理が佳境を迎えた平成26年5月29日、姫路城から10数キロ離れた姫路港沖合で大音響とともに錨泊中の原油タンカー聖幸丸が爆発炎上、乗組員5名が死傷する大事故が発生しました。
姫路城が見下ろす兵庫県西部の播磨地域一帯を管轄している姫路海上保安部の管内には、沿岸部に多数の工場が立地し、危険物専用岸壁が20岸壁、年間約3,400隻の危険物積載船が荷役しています。
このような状況をふまえ、当保安部では、聖幸丸爆発炎上事故のような大事故を二度と発生させないとの強い決意の下、安全・事故防止に対する関係者の意識をさらに高めるため、事故から1年を迎える平成27年5月27日から6月2日を「危険物積載船等安全集中点検期間」として姫路港内にある危険物荷役施設及び同施設に入港する危険物積載船に対し、安全点検及び安全指導を行うとともに、6月1日には、姫路市消防局、飾磨警察署、姫路医療センターなど(人員約60名、船艇5隻、車両6台)と合同で「タンカー爆発事故対応合同訓練」を実施しました。
この訓練では、消防や警察、医療機関と連携し、情報伝達や海上での消火放水、負傷者の搬送等の訓練にあわせて、巡視艇乗組員により、負傷者の治療優先順位を決める「トリアージ」の実施や、消防、警察等の関係機関との円滑な情報共有を図るための「事故情報共有票」の活用等、聖幸丸爆発炎上事故をふまえ、より迅速かつ的確な対応を期すべく検討を重ねた末に取り入れている、新たな取組みを実施しました。
1年前の大事故をふまえた当保安部のこのような取組みは、新聞、テレビで連日大きく報道され、危険物を取扱う関係者の方々に対し、再度、注意喚起を図るとともに、一般市民の方々に当保安部の事故後の取組みを理解していただくことができました。
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