海上保安大学校の学生は採用と同時に国家公務員となり、月額140,100円の給与と年2回の期末・勤勉手当(ボーナス)が支給されます。なお、本科在学中給料は一律です。
授業料等は一切かかりませんが、食費や教科書代等に毎月約3万円が必要であり、また、所得税、共済組合掛金等を差し引くと、毎月の手取りは約8万5千円となります。
所定のカリキュラムを修了できず、履修認定が受けられない場合には、卒業が延期されることはあります。
平成24年7月28日(土)及び11月3日(土)に実施予定です。
詳細については海上保安大学校総務課人事係までお問い合わせください。
海上保安庁の幹部職員となるために採用された学生に対して、幅広い教養を身につけるための哲学、文学などの基礎教育科目、専門教育を受けるため国際政治、海洋学、航海学、機械力学、情報理論などの専門基礎科目、複雑化、国際化している海上保安業務に対応するための行政法、国際法、警察管理政策、海難救助工学などの専門科目、特殊技能を身につけるための逮捕術などの訓練科目、小型船舶の操船技術や通信実技などの実習科目、そして練習船による乗船実習があります。
細かくは選択できませんが、1学年時にロシア語、中国語、韓国語のいずれか、柔道、剣道のいずれかを、2学年時に第一群(航海)、第二群(機関)、第三群(情報通信)にわかれ群別科目を選択できます。
授業については、新たな科目も多く、ついていけるかどうかは、学生個人の努力によるもので、出身校によりどうかについては分かりかねます。なお、数学、物理に関しては、1学年時に授業以外に補習の時間を設けてフォローをしています。
夏期日課(夏休み)として約4週間、冬期日課(冬休み)・春期日課(春休み)としてそれぞれ約2週間があり、その期間は原則として寮を閉鎖し、実家等で生活することになります。
海上保安庁は制服官庁、規律官庁であり、業務の実施が基本的に船を単位として行われることから、初級幹部海上保安官を要請する海上保安大学校においても、上級生指導等を通じたリーダーシップの涵養等を目的に全寮制が採用されています。起床から就寝に至るまで時間割に従い生活することとなります。また、原則として各学年1名の計4名で自習室を構成し、複数の自習室で班を構成して、これらの自習室や班を単位として様々な行事等が実施されます。
寮生活は、上級生指導等を通じたリーダーシップの涵養等を目的に行われていますので、厳しい面もありますが、あくまでも良識の範囲内でのことです。鉄拳制裁、体罰といったものは一切ありません。
1・2学年においては保有もレンタカー等の運転も許可していません。3学年以上であれば許可を受ければ保有することができます。
勤務日であって翌日が勤務日の場合は17:15~22:15、同じく勤務日であって翌日が週休日又は休日の場合は17:15~22:45の間、週休日又は休日であって翌日が勤務日の場合は06:30~22:15、週休日又は休日であって翌日も週休日又は休日である場合は06:30~22:45の間、それぞれ外出が可能ですし、週休日又は休日の前日においては勤務日であるなしにかかわらず、届け出ることによって外泊することも可能です。
3学年以上であれば下宿を借りることは可能です。しかしながら、本校が全寮制を採用していることから、下宿からの通学は認められません。
寮内でのみ使用することができます。課業中の携帯及び使用は禁止されています。
成年であれば可能です。ただし、校内(学生寮を含む。)での飲酒は特に認められた場合を除き禁止されています。喫煙は喫煙が認められた場所でのみ可能です。
海上保安大学校の教育方針の一つである「強靭な気力・体力の育成」のため、学生は必ず体育系サークルに所属し、原則として、平日の7・8時限目においてサークル活動を実施することとなっています。現在活動しているとしては
カッター部、柔道部、剣道部、サッカー部、水泳部、テニス部、バスケットボール部、野球部、ヨット部、ラグビー部、逮捕術部
があります。
これらのサークルのほか、邦楽部、行政法ゼミ、学生音楽隊、応援団、救難同好会、茶道同好会などがあり、学生有志により積極的に活動しています。
4年間を通して、水泳訓練、潜水訓練、端艇(カッター)訓練、けん銃訓練、総合指揮(基本動作、統率管理)訓練等が実施されます。夏期日課(夏休み)前には遠泳訓練が行われ、3マイル又は5マイルを泳ぐことになります。また、1月には、耐寒訓練(柔・剣道、端艇等)が行われます。
例年泳げない学生も入学してきますが、教官の指導により泳げるようになります。ただし、本人の相当な努力が必要です。 なお、訓練についていけるかどうか不安であれば、入学前にスイミングスクール等に通い、泳ぎに慣れておく方法もあると思います。
現在、3学年、4学年及び卒業後の専攻科で計12ヶ月の乗船実習を行っています。
3学年、4学年で行う乗船実習は、各授業で学んだ知識・技能を国内航海実習において実地体験し、船舶の運航技術等の基本を身につけます。また、卒業後の専攻科では、4年間に履修した知識、学術等の集大成として、約3ヶ月半におよぶ遠洋航海実習を行い、運航技術等を磨くとともに、さまざまな訓練を通じて慣海性を養います。加えて、外国訪問を通じて国際的な感覚と幅広い視野を身につけます。
海上保安大学校を卒業すると、海上保安官(三等海上保安正)に任官されます。その後の進路については、希望や適正により個人差がありますが、一般的には、卒業後全国各地の巡視船に主任航海士等として配属され、2~3年海上勤務を行います。その後、本庁の係員、30歳前後で大型巡視艇の船長等に就きます。その後、2~3年毎に、本庁係長、中型巡視船航海長等を経験し、40歳前後で、管区本部の課長、本庁の課長補佐などへとキャリアアップしていきます。
また、一定期間ですが、本省(国土交通省)、内閣官房、外務省など他省庁のほか独立行政法人などに出向する者も多くいますし、海外で勤務する機会もあります。
在オランダ大使館 在ノルウェー大使館
在クウェート大使館 在オマーン大使館
在ロシア連邦大使館 在中国大使館
在韓国大使館 在マレーシア大使館
在サンフランシスコ総領事館
在上海総領事館 在イスタンブール総領事館
(社)日本海難防止協会 ロンドン事務所、シンガポール事務所
(財)交流協会(台北事務所)
JICA[国際協力事業団] フィリピン、インドネシア、マレーシア
本人の希望と適性により、パイロットになることも可能です。
大学校卒業後に希望と身体検査などの適性検査を受け、その後約2年半の研修を受けてパイロットとして現場に配属されます。また、この研修後も乗る機体に応じてそれぞれの免許を取得する必要があります。
なお、卒業まではⅠ群(航海)、Ⅱ群(機関)、Ⅲ群(情報通信)のいずれかの専門基礎科目を選択し勉強する必要があります。同期(約45名)のうち、パイロットとして選抜されるのは2~3名と狭き門になっています。
大学校の卒業と同時に退職することについて、法律等で禁止されているということはありません。また、現在、退職する場合でも国に対して教育費等を返還する義務はありません。ただし、一人の学生を卒業させるまでに、乗船実習にかかる費用や給与なども含めて多額の税金を投じて育成をしています。また、海上保安庁全体として定員を管理している中で、幹部候補生として毎年必要な人数を採用していますので、退職者が出ると、人事計画に影響が出ます。安易な退職はしないようにお願いいたします。