私は、携帯電話やパソコン、船内に取り付けられている航海計器等の電子機器から電子データを取り出し、証拠化するデジタルフォレンジックという解析業務を行っています。
電子機器には被疑者の特定や犯罪事実の証明につながる重要なデータ情報が保存されていることが多く、海上犯罪の取締まりにおいて無くてはならない業務になっており、現場捜査官と連携し事件の真相究明に繋がるこの仕事にはとてもやりがいを感じています。
海上保安学校に入学し、初めて学ぶ法律や船舶についての勉強、日々の体力錬成、訓練、また、集団行動や寮生活のことなど、入学前とは生活環境が一変し不安や戸惑いを感じながら過ごしている方も多いのではないでしょうか。
私自身そういった心配をした時期もありましたが、現場に出てみると、学校で培った知識、体力、精神力の一つ一つがとても役に立っていると感じるようになりました。
今を大切に、学校でしか身に着けることができないことをたくさん吸収してください。
海上保安官といえば、船乗り・男性社会・体力系というイメージが強い職業ではあります。
しかし、実際は事務所勤務の職員も多く、日本の海を守るという業務の内容は多岐にわたるもので、幅広い特徴があります。
その中でも様々な場で女性職員の活躍の場が増えており、福利施設の整備等も徐々に行われ、女性が働きやすい環境づくりも進んでいます。
海上保安官を目指すにあたり疑問や不安なことがあれば最寄りの海上保安部にお立ち寄りください。
先輩の女性海上保安官も皆様をお待ちしています。
私は、平成27年10月に海上保安学校を卒業し、PL型、PC型の巡視船艇勤務を経て、現在横浜海上保安部警備救難課に海上環境係として勤務しています。 主な業務は、海洋汚染につながる油の不法排出、廃棄物の不法投棄等の海上環境法令違反の取締りです。事件事故が起きた際には、警備救難課職員や船艇職員と協力し、捜査・調査にあたるほか、船艇が行う捜査のサポートも行います。その他、海洋環境保全のための指導・啓発活動等も行います。
保安学校での生活は、多岐にわたる科目の学習や厳しく緊張感のある訓練、寮での集団生活等決して楽しいことだけではなく、むしろ苦労することの方が多いと思います。同期と助け合い、頼れる教官や先輩に相談しながら、沢山悩んで考えて一つ一つ乗り越えていきましょう。その経験が現場でも活かされる時が訪れます。そして苦楽をともにした同期が全国にいることは、配属後も皆さんにとってきっと励みになると思います。 保安学校でしかできない経験を沢山して吸収し、元気いっぱい現場へ出てきてください。
海上保安庁は、男性が多いイメージがまだまだ強いかもしれませんが、業務内容は幅広く、船艇、陸上問わず、様々な配置で女性海上保安官も活躍しています。女性だからと諦める必要はなく、希望次第で自分の夢が叶えられます。 また、女性職員の意見を取り入れた設備が備わる巡視船艇が建造されたり、仕事と家庭の両立を支援する制度が整備されたりと女性が安心して働ける環境があります。私の夫も海上保安官ですが、当庁では男性にも積極的な育児休業等の制度利用が推進されています。機会が訪れたら、制度を活用して互いに助け合い、仕事と家庭の両立を図りたいです。
私は、平成28年3月に海上保安学校船舶運航システム課程航海コースを卒業し、徳島海上保安部で3年間の巡視船勤務を経て、現在は、大阪海上保安監部所属の巡視艇みおかぜに航海士補として乗船しています。 巡視艇みおかぜでの業務は、管内をパトロールし、法令違反の取り締まりを行ったり、海難が発生したときには海難救助をしたりします。また、巡視艇みおかぜは「港長業務指定船」に指定されており、上記の業務に加え、危険物専用岸壁や危険物荷役船舶の点検指導をしたり、在泊船舶の交通整理や航法指導をしたりします。
現在、1年間(2年間の方もおられますが)という限られた期間で、日々勉強や訓練に取り組んでいることだと思います。苦しい、辛い思いをしている学生もいるかもしれません。ですが、学校で一生懸命学んだことは、必ず現場で生きてきます。今できること、今しかできないことを全力でやってください。 現場に出てからも、分からないことは沢山あります。ですが、分からないことは恥ずかしいことではありません。自分で調べるなり、先輩に聞くなりして、分からないことを分からないままにしておかないこと。元気に、貪欲に、恐れないで、諸先輩方から知識・技術を吸収してください。現場で皆さんと会える日を楽しみにしています。
海上保安庁というと、男性ばかりで体育会系のイメージがあり、体力的に大丈夫かな?と、不安に感じる方もおられると思います。私も入庁前はそうでした。 ですが、体力面で男性に劣るのは仕方がないですし、そこは男性もよく理解していますので、女性にできないことがあれば、優しくサポートしてくれます。 また、巡視船には女性用の設備が完備されていますし、悩み事や不安があれば気軽に相談できる環境も整っていますので、安心してください。少しでもこの仕事に興味があれば、是非、海上保安官を目指してほしいと思います。
私は現在、佐世保海上保安部所属の巡視艇ことざくらに機関士補として乗船しており、警備救難業務が主な業務である本船は、海上で事件や事故が起きたときは現場へ急行し、現場の最前線で対応にあたります。
また、私は昨年度に海上保安大学校において韓国語の語学研修に行かせて頂き、外国船の事案があった際には、韓国語を駆使して捜査を行います。
慣れない集団生活や時間に追われる日々で、きつかったり辛い思いをされることもあるかもしれません。
しかし、保安学校の日々は勉強面においても生活面においても無駄なことは1つもありません。すべてが現場に出たときに必ず助けになりますので、海上保安官を目指す同期や先輩後輩と切磋琢磨しながら一日一日を大事に過ごしてください。
海上保安庁は、多種多様な業務があり、多くの分野で女性海上保安官は活躍していま す。
現在私が乗船している船で女性は私1人だけですが、男女に関係なく互いに助け合い、女性だからといって諦めたことはほとんどありません。
性別に関係なく、努力や意思さえあれば、誰もがやりがいや誇りを持てる仕事ですので、興味を持たれたら、是非海上保安官を目指してください。
私は、第八管区海上保安本部海洋情報部海洋調査課で勤務しています。主に潮の満ち引きや海水の流れのデータを収集・解析しており、時には遭難した船や人、流出した油などがどこに流れていくかを予測し、救助活動をサポートします。普段は、パソコンに向かってのデスクワークですが、データを取得するため屋外で作業することもあります。一般の方にはなかなか馴染みのない職種であるとは思いますが、海図に書かれている水深の基準を決定しているのも、海洋情報部なのです。
中学、高校で勉強した数学。「こんなもの、将来いつ必要なんだ!」と思っていた皆さん。海上保安学校は学校といいつつも、中学、高校の勉強とは違い、現場に出て必ず必要なことを教えてくれます。きついこともあるし、なかなかできないこともあるとは思いますが、一つでもできることを増やすように、食らいついていってください。また、学校での出会いは一生ものです。教官や同期との出会いは大切にしてください。現場に出て離れても、分からないことを聞けたり、仕事のことを話せたりする仲間というのは、いろいろな面で支えとなります。
体力勝負なイメージの海上保安官ですが、海洋情報部はほとんどが陸上勤務ですので、比較的働きやすい環境であると思います。どんな職種であれ、最近は女性も増えてきており、働きやすい環境になってきています。興味はあるけど、ちょっと戸惑っているという方も安心して、海上保安官を目指してください。また、私自身、実際に海上保安官とお話ししたことにより入学を決意できました。海上保安庁について気になる方はぜひ、お近くの海上保安部に連絡してみてください。海上保安官一同、心よりお待ちしております。
私は警救課職員として事件事故等の各種事案に対応する他、検視官の指名を受け鑑識官として勤務しています。検視とは、変死や変死の疑いがあるご遺体について、検察官の指揮を受け死体の状況捜査を行うことを言い、海上で発見されたご遺体に対して、事件性の有無を判断するために必要な捜査等を行う役目を担っています。
今の時代は出身科や性別に囚われず様々な職種への道が広がっていますが、同時に希望通りの道に進めないこともあると思います。ですが、どんな配置でも仕事に手を抜かず、目の前のことに真摯に向き合えば、必ず違う景色が見えてきます。どこでも輝ける海上保安官を目指し、覚悟と誇りを持って現場へ出てきて下さい。それと、同期は一生の宝です。今は毎日顔を合わせ、気の合わない人もいるかもしれませんが、10年後、20年後、活躍する同期の姿はきっとあなたを奮い立たせてくれます。
入庁前は泳げなかった私ですが、「海が好き」という理由だけで海上保安官になりました。 好きなだけではだめなこともあり、辛いことや困難にぶつかることも多々ありましたが、「海を守りたい」という強い志の元に集ったかけがえのない仲間に支えられ、いつも前向きに海と向き合って来れました。諦めの悪さや粘り強さに自信があり、海への熱い想いをお持ちの方、是非私たちの仲間になって下さい。