これまで海上保安庁では、海上保安学校宮城分校でヘリコプターのパイロットを養成していましたが、飛行機のパイロットは、防衛省に研修を委託してきました。
ところが、昨今の国際情勢の変化により巡視船、航空機等の整備を進める中で、飛行機のパイロットの増員も必要になったことから、海上保安庁独自で飛行機のパイロットを要請する施設を作ることとなり、令和元年から少しずつ準備を進め、令和2年4月1日、北九州空港内の一角に「海上保安学校宮城分校北九州航空研修センター」が開所しました。
海上保安庁の航空機パイロットになるには、海上保安学校の航空課程に入学するか、または海上保安大学校に入学し選抜されるかの道があります。そのうち、海上保安学校航空課程の学生は、海上保安学校で一年間、海上保安官としての知識を学び、同時に航空機のパイロットになるための基礎教養も習得することになります。 海上保安学校を卒業後は、本人の希望や適性によってヘリコプターまたは飛行機のパイロットの道に進むこととなり、ヘリコプターのパイロットを目指す学生は「海上保安学校宮城分校」へ、飛行機のパイロットを目指す学生は「海上保安学校宮城分校北九州航空研修センター」へ進みます。 北九州航空研修センターは約2年間の研修を行い、航空に関する座学や小型飛行機(セスナ172)を使用しての操縦訓練を実施して、事業用の操縦士免許を取得します。
免許を取得後は全国に散らばる航空基地に配属され、海上保安業務に従事しながら、
中型プロペラ機やジェット機などの上級の資格を目指すこととなります。