海上保安レポート 2016

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 法治平安の海を護る


海上保安官の仕事


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

CHAPTER I 海洋調査
Column vol.12 新潟沖に眠る沈没船「那須丸」
CHAPTER II 海洋情報の提供
Column vol.13 英虞湾で100年ぶりに水路測量を実施し、最新の調査技術で水深データが充実

6 交通の安全を守る


語句説明・索引


図表索引


資料編

5 海を知る > Column vol.13 英虞湾で100年ぶりに水路測量を実施し、最新の調査技術で水深データが充実
5 海を知る
Column Vol.13
英虞湾で100年ぶりに水路測量を実施し、最新の調査技術で水深データが充実
第四管区
最新技術で測量された英虞湾の海底地形の様子
最新技術で測量された英虞湾の
海底地形の様子
 
測量船による調査の様子
測量船による調査の様子

第四管区海上保安本部では、管内海図の最新維持を目的に海図記載水深の古い海域から、順次水路測量を実施しています。このたび平成28年に伊勢志摩サミットが開催される英虞湾において、詳細な水路測量を平成27年7月から10月にかけて実施しました。

現在の英虞湾の水深は、大正時代の手用測鉛(目盛付の紐の先端に錘を取付けた測深器具)により測られたものが多く、数も約700個と少ないものです。今回、約100年ぶりに最新測量技術のマルチビーム測深機や航空レーザー測深機などで測量を行いました。

英虞湾は、海岸線も複雑で筏(いかだ)・ブイ・浅所が多く存在するため、測量船“いせしお“による測量は常に危険が伴い、神経のすり減る思いでした。測量船が近づけない浅瀬やいかだの密集する海域は、航空レーザー測量を行い海空一体での測量を行いました。

結果、測量により得られた水深の数は10億個と膨大な量になりました。この膨大な水深データの品質を評価し、船舶運航者が利用できる資料にするために、経験・技術を活用した根気のいる作業が続きます。

今回得られた水深データは、海図として公開する予定です。