Column Vol.13
英虞湾で100年ぶりに水路測量を実施し、最新の調査技術で水深データが充実
第四管区
英虞湾で100年ぶりに水路測量を実施し、最新の調査技術で水深データが充実
第四管区
最新技術で測量された英虞湾の 海底地形の様子 |
測量船による調査の様子 |
第四管区海上保安本部では、管内海図の最新維持を目的に海図記載水深の古い海域から、順次水路測量を実施しています。このたび平成28年に伊勢志摩サミットが開催される英虞湾において、詳細な水路測量を平成27年7月から10月にかけて実施しました。
現在の英虞湾の水深は、大正時代の手用測鉛(目盛付の紐の先端に錘を取付けた測深器具)により測られたものが多く、数も約700個と少ないものです。今回、約100年ぶりに最新測量技術のマルチビーム測深機や航空レーザー測深機などで測量を行いました。
英虞湾は、海岸線も複雑で筏(いかだ)・ブイ・浅所が多く存在するため、測量船“いせしお“による測量は常に危険が伴い、神経のすり減る思いでした。測量船が近づけない浅瀬やいかだの密集する海域は、航空レーザー測量を行い海空一体での測量を行いました。
結果、測量により得られた水深の数は10億個と膨大な量になりました。この膨大な水深データの品質を評価し、船舶運航者が利用できる資料にするために、経験・技術を活用した根気のいる作業が続きます。
今回得られた水深データは、海図として公開する予定です。