Column Vol.03
さようなら! ベル212〜海上保安庁最後の1機が引退(ご苦労様でした!)〜
第二管区
さようなら! ベル212〜海上保安庁最後の1機が引退(ご苦労様でした!)〜
第二管区
旧カラーリングを施した機体 |
平成27年12月、海上保安庁で最後のベル212が多くの関係者に見送られ、惜しまれつつ引退しました。
海上保安庁に最初のベル212が就役したのは、今から42年前の昭和48年12月。当庁が保有するそれまでのヘリコプターに比べ、航続距離や捜索救助能力が格段に向上し、以後主力ヘリコプターとして計38機が導入されました。昭和61年の伊豆大島三原山噴火に伴う全島避難や平成13年の九州南西海域における工作船事件など、社会的反響の大きい数々の災害や事件事故に対し、その能力を如何なく発揮することで国民の安全と安心を守り続けてきました。また、昭和59年から、巡視船・航空機に海上保安庁を象徴する「S」字マークを標示することとなり、黄色ベース青ラインの機体カラーリングから、現在の白ベース青・ライトブルーラインのカラーリングに様変わりしたのも今は懐かしいものです。
しかし、機体や装備の老朽化により、順次新型機への代替が進められ、ついに最後の1機が引退を迎えることとなりました。ベル212の運用に携わった職員は、乗組員をはじめとする多くの現役職員から、すでに引退した職員まで含めると数知れず、海上保安官人生をベル212と共に過ごした職員も多くいます。「ドンッ、ドンッ、ドンッ……」と2枚のローター翼の回転とともに、腹に響く独特で印象的な音を発して飛行する雄姿は、思い出として消えることはないでしょう。
初代就役から42年間、海上保安庁を長年に渡って支え、多くの海上保安官を育てたベル212は、宮城海上保安部巡視船ざおう搭載機MH930(愛称しおかぜ)を最後に、多くの航空関係者から惜しまれつつ、当庁から全機が引退するとともに、日本の空からも姿を消しました。
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