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神島灯台
 神島は、鳥羽港の北東約14km、愛知県伊良湖岬の西方約3.5kmの伊勢湾口に位置し、島内は標高171mの灯明山を中心に島全体が山地となっており、平坦地の少ない島です。三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台となったことで有名です。
 神島と伊良湖岬の間にある伊良湖水道は、「阿波の鳴門か音戸の瀬戸か伊良湖度合が恐ろしい」と船頭歌に歌われ、日本の三海門の一つになっています。昔から海の難所といわれており、明治初年頃は夜間の航行が大変危険でした。
 神島灯台は、明治41年7月伊良湖水道で軍艦「朝日」が暗礁に接触、軍事上の要請と名古屋・四日市両港の貿易振興上から航路標識の設置が建議されるようになり、明治42年5月23日着工、翌43年3月23日完工、同年5月1日に初点灯されました。当時、灯台の光源は石油ランプが主力でしたが、新設された神島灯台には自家発電施設が配備され、日本で初めて白熱電灯による光源電化に成功しました。発電施設は4キロワットサクションガス発動発電機2台で、タングステン線条32ワット白熱電灯を四等フレネル式三連閃光レンズ内に装着し、光度は7,000燭光を発していました。その後、昭和2年10月に光源を500ワット電球と四等フレネルレンズ(写真)に、平成18年3月に現在の水銀灯と反射鏡を組み合わせたLU-M型灯器(写真)に交換されています。四等フレネルレンズについては、昭和2年(1927)〜平成18年3月までの約80年間使用され続けました。
 一方、灯台下部にはアーク灯(写真)による副灯を設け300万燭光の光力で伊良湖水道コズカミ礁を照射していました。(現在はありません。)当時は鋼鉄製の灯台でしたが、昭和42年現在の姿である鉄筋コンクリート製に改築されました。
 管理については、昭和38年1月1日鳥羽航路標識事務所に集約されるまで、神島航路標識事務所にて直接管理されていましたが、その後、平成7年4月1日まで滞在勤務による管理が行われていました。平成13年4月からは、鳥羽海上保安部職員が定期的に巡回保守を実施しています。
所在地 三重県鳥羽市神島
設置・点灯 明治43年5月1日(1910年)
灯質(光り方) 群閃白光 毎30秒に3閃光
光達距離 23.0海里(約42キロメートル)
アクセス [経路1]
(近鉄・JR)鳥羽駅〜鳥羽市営定期船乗場(徒歩約5分)〜神島(約40分)〜灯台(徒歩約30分)
[経路2]
伊勢道伊勢西IC〜伊勢二見鳥羽道路〜国道42号〜鳥羽市営定期船乗場〜神島
[経路3]
伊良湖港〜神島(定時運行不定期船)約20分〜徒歩〜灯台(徒歩約30分)
初点当時の神島灯台
初点灯時の神島灯台
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現在の神島灯台
現在の神島灯台
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四等フレネルレンズ
約80年間使用された、四等フレネルレンズ
LU-M型灯器
現在使用されているLU-M型灯器
アーク灯
アーク灯
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コズカミ礁照射灯
コズカミ礁照射灯
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