各分野のスペシャリストを養成する
海上保安庁の教育機関
海上保安学校は、京都府舞鶴市にあり、海上保安庁の各分野における専⾨の職員を養成する教育機関です。学⽣は採⽤試験時に、4つの課程のうち、いずれかを選択します。教育期間は一般課程、航空課程及び海洋科学課程は1年間、管制課程は2年間で、全学⽣を対象にした海上保安官として必要な知識などを学ぶ共通科⽬に加え、各課程‧コースごとの専⾨科⽬を学びます。
卒業後は、巡視船艇の乗組員等として、⽇本全国に配属されます。その後は、希望と適性に応じ、潜⽔⼠や国際取締官といった各分野のエキスパートとして進むことも可能です。また、業務経験と選抜試験により、海上保安⼤学校での研修を経て、幹部へ登⽤される道も開かれています。
受験資格
受験資格:⾼校卒業後12年未満まで
教育期間
現場第一線の海上保安官を目指します。一般課程、管制課程、航空課程、海洋科学課程の4つの課程があり、教育期間も課程によって異なります。
4つの課程
一般課程
巡視船を主とする様々なフィールドで活躍する
教育期間
1年間
※通信コースは卒業後に、通信施設の保守・管理等に必要な知識・技能等を習得するための約4カ月間の研修を受講
※2024年度海上保安学校学生(特別)採用試験は「船舶運航システム課程」(航海コース・機関コース・主計コース・整備コース)で実施
管制課程
⽇本の海上交通の安全を⽀える海の管制官
教育期間
2年間(4⽉⼊学)
管制課程を詳しく⾒る航空課程
⽇本の海を空から守る海上保安庁のパイロット。
教育期間
1年間(4⽉⼊学)。卒業後、約2年間の研修
航空課程を詳しく⾒る海洋科学課程
海の探求者、海洋科学のプロフェッショナル
教育期間
1年間(4⽉⼊学)
海洋科学課程を詳しく⾒るカリキュラム
取得する資格・免状
卒業後の進路
特殊業務への道
卒業後、⼀定期間の実務経験を積んだ後、本⼈の希望と適性によって選抜された者のみ⼀定期間の研修を経て、下記の職種に進むこともできます。
一般課程(航空整備コースを除く)
潜⽔⼠、特殊救難隊、機動救難⼠
国際捜査官(ロシア語、韓国語、中国語などの通訳業務など)
航空機の通信⼠
幹部登⽤への道
海上保安学校の卒業⽣が幹部要員(課⻑以上)に昇進するには、所定の実務経験を積んだ後(在職3年以上が⽬安)、選抜試験を受けて海上保安⼤学校特修科(1年または6カ月)に進むことにより、幹部へ登⽤される道が開かれています。特修科選抜には⾼卒‧⼤卒による有利不利はありません。
キャリアアップモデルコース
待遇
海上保安学校
⾝分…国家公務員としての⾝分が付与
社会保障…国⼟交通省共済組合員としての保険が適⽤。各種社会保険も充実
厚⽣…寮内の医務室に看護師が勤務し、保健指導と診察を受けることができる。寮内に売店も設置
給与… 毎月約16万円の給与が支給。また、年2回の期末・勤勉手当(ボーナス)も支給
授業料など…⼊学⾦、寄付⾦、授業料は⼀切不要。制服や⽣活に必要な寝具類はすべて貸与
休⽇…週休2⽇制。原則⼟・⽇‧祝⽇は休⽇。⾦‧⼟曜⽇の夜など、休⽇の前⽇は外泊も可能(許可制)。春季1週間、夏季2週間、秋季1週間、冬季1週間の⻑期休暇があり、休暇中は寮を閉鎖し、全学⽣が実家などに帰省
現場配属後(海上保安官)
勤務時間‧休暇
週休2⽇制。巡視船勤務の場合は不定休。陸上勤務の場合は基本的に⼟⽇祝⽇が休⽇(勤務先によって変動の可能性あり)。緊急対応のための休⽇出勤があるが、代休または⼿当が⽀給される。
その他の休暇制度
年次休暇(年20⽇。20⽇を限度として翌年に繰り越し可)
特別休暇(結婚、出産、忌引き、夏期休暇、ボランティア休暇など)
病気休暇(負傷、疾病による場合)
介護休暇
育児休業
給与
ほかの国家公務員と同様に法律で定められ、その職種によって⼀般事務職に適⽤される⾏政職や警備救難などの業務に従事する職に適⽤される公安職の俸給表の適用。⼤半の海上保安官は公安職の俸給表の適用を受けており、⼀般の国家公務員と⽐較すると⾼めの給与となっている。
特に巡視船艇や航空機に乗り込む海上保安官や特殊救難隊などに所属する海上保安官には、その職務の特殊性によりさらに俸給の調整額が⽀給。
海上保安官の⽉収の例
例1:保安学校卒、⼤型巡視船の⼠補、25歳、独⾝…約27万円
例2:保安⼤学校卒、⼤型巡視船の主任、25歳、独⾝…約29万円
例3:保安学校卒、40歳、既婚、⼦供2⼈
陸上勤務(海上保安部の係⻑)…約36万円
巡視艇船⻑…約39万円
例4:保安⼤学校卒、40歳、既婚、⼦供2⼈、陸上勤務(海上保安部の課⻑…約46万円)
その他、業務に応じた特殊勤務⼿当が⽀給されるほか、期末‧勤勉⼿当(ボーナス)が⽀給されます。
公務員宿舎の貸与
公務上必要な職員には、全国各地に設置されている国家公務員宿舎が貸与されます。
健康管理
全国の主要都市やその周辺には国家公務員共済組合連合会直営の病院が整備。管区海上保安本部などに診療所もあり利⽤可。
年1回以上の定期健康診断(または⼈間ドック)が実施され、病気の早期発⾒、早期治療に努め、職員の健康管理が⾏われています。万⼀、公務上の災害、または通勤による災害を受けたときには、国家公務員災害補償法に基づく保証を受けられます。
貸付制度
急に必要となった臨時の⽀出(結婚、進学、医療、災害など)や住宅を新築‧増改築する際の資⾦を借りられます。
給付制度
病気‧負傷の場合には、医療費などの⼀部⽀給が、出産の場合には、出産費の給付があります。また、国家公務員共済組合法に基づく、⽼齢厚⽣年⾦や障害厚⽣年⾦などの給付もあります。
宿泊保養施設
主な保養地や有名都市には国家公務員共済組合連合会などが経営する宿泊保養施設があり利⽤可能。