アンモニアバンカー船の柔軟な定係地確保に向けて ~アンモニアバンカー船の停泊時の基準を取りまとめました~

発表日

令和8年2月25日

概要

 海上保安庁は、アンモニアバンカー船が停泊許容量を超えて定係地の岸壁に停泊する場合の基準について、関係官庁及び関係団体で構成される調査研究委員会において検討した結果、必要な安全対策を講じることで停泊が可能であるとの結論を得たことから、停泊基準を取りまとめました。

※港則法で定める危険物を積載した船舶が特定港において停泊する場合、積載している危険物の量について、岸壁ごとに定める停泊許容量を遵守する必要があります。

本文

1.背景

 世界的な船舶の低・脱炭素化が加速する中、次世代燃料の一つとして注目されるアンモニアを燃料とする船舶の開発が進められており、将来的にはLNGと同様にアンモニアバンカー船(燃料供給船)の導入も見込まれているところ、昨年6月には国土交通省海事局が「アンモニアバンカリングガイドライン」を策定しました。
 こうした背景から海上保安庁では、先般改定を行った「LNGバンカー船の停泊基準」を参考として、アンモニアバンカー船が停泊許容量を超えて定係地の岸壁に停泊する場合の停泊基準を検討するための調査研究委員会を開催しました。

2.検討の手法及び結論

 調査研究委員会において、アンモニアバンカー船に採用されるタンク自体の信頼性や安全性に着目して検討を行った結果、LNGバンカー船と同様、停泊中のアンモニアバンカー船からもアンモニアが船外へ漏えい・漏出する事態は想定されず、必要な安全対策を講じることで停泊は可能であるとの結論を得たことから、新たにアンモニアバンカー船の停泊基準を取りまとめ、令和8年2月19日から運用を開始しています。

3.停泊基準の内容

 調査研究委員会での結論を踏まえたアンモニアバンカー船の停泊基準の主な内容は次のとおりです。

(1)火気使用制限区域は要しない

 アンモニアは引火性危険物でないことから、火気の使用制限は要しないこととしました。

(2)必要な範囲に立入禁止区域を設定すること

 立入禁止区域の範囲については、「岸壁利用者の立入状況などの岸壁環境を考慮のうえ、アンモニアバンカー船への部外者の接近・侵入防止のために必要と判断する範囲(方法は任意)」に設定することとしました。

(3)ガス検知装置により常時監視をすること

 アンモニアの毒性を踏まえ、アンモニアガス検知装置により船内各所のガス濃度を常時監視し、ガスを検知した場合には周囲に注意喚起を行うこととしました。

(4)停泊時の管理要領を予め作成すること

 緊急時の対応や日常の安全対策等を含む停泊時の管理要領を予め作成し、24時間体制の当直によって必要な安全対策を講じることとしました。

4.今後について

 今回の調査研究委員会において、メタノールバンカー船についても同様の検討を行いましたが、安全性を十分に確保しつつ合理性を考慮した停泊基準を策定するためには更なる熟慮を要するとの結論に至り、来年度も引き続き検討を行うこととしました。