1948年の海上保安庁発足後、組織の拡充が図られる中で、1950年6月、瀬戸内海及び宇和海を管轄とする第六管区海上保安本部の事務所の一つとして、呉海上保安署が発足され、1955年に呉海上保安部へ昇格。1957年には木江分室(豊田郡大崎上島町)が置かれました。
管轄区域は広島県呉市、江田島市、竹原市、東広島市、豊田郡大崎上島町の4市1町。大小約60の島々による複雑な海岸線、狭水道や浅瀬は急潮流を発生させ、平清盛公の伝説が残る「音戸ノ瀬戸」をはじめとする航海の難所を形成しつつ、豊かな漁業資源を育んでいます。
沿岸には造船、製紙、発電所等の事業所や海上自衛隊の基地、米軍施設等が所在し、貨物船やタンカーのほか、四国や各島々を結ぶ定期船も就航しています。
国防や事業活動から日常生活、マリンレジャーまで、管内海域は様々な船、人、コト、モノが行き交う舞台となっています。
呉海上保安部の特徴として、昭和63年に救難強化型巡視船に指定された「巡視船みささ」から4代目にあたる「巡視船くろせ」が所属します。くろせには海猿でお馴染みの潜水士が乗っており、海難救助や事件捜査に従事しています。
くろせをはじめとする呉海上保安部の所属巡視船艇は、広島航空基地のヘリコプターや関係機関と連携し、24時間365日いつでも出動可能な救難体制を確保しています。
自衛隊、米軍基地、発電所、危険物貯蔵施設などの警備活動やテロ対策、年間約400隻の外国船入港に伴う銃器・薬物等の密輸密航の水際阻止、海事・漁業関連法令違反等の取締りを実施し、瀬戸内海の治安の確保に努めています。
船舶交通の安全を図るため、海上における工事等の許認可事務、海の安全情報の提供のほか、灯台や浮標等の保守管理を実施しています。
また、海の事故の未然防止を図るため、管内で発生した海難を調査・分析し、これらのデータを活用した海難防止啓発活動を行っています。
青い海を守るため、船舶からの油排出、配線や廃棄物の不法投棄、臨海工場からの汚水不法排出等の監視・取締りを実施しています。
また、学生や市民への海洋環境保全に関する思想の普及・啓発のため、図画コンクールや環境パネル展等を実施しています。
第六管区唯一のPL型巡視船。
呉市若葉町に所在する海上保安大学校に練習船として派遣しており、同校の学生を乗せ、国内航海だけでなく、約3ヶ月半に及ぶ世界一周航海もします。
映画「海猿」でお馴染みの潜水士が乗っている救難強化型巡視船。
潜水士たちは潜水訓練やヘリコプターからの降下・吊上げ訓練など日々体力錬成を行っており、24時間体制で救難事案に備えています。
海難救助、犯罪取締りに活躍する小型の巡視艇です。
機動力を活かし、118番通報があった際はいち早く現場に駆けつけます。警察でいうとパトカーのような役回り。
小型ボート程の大きさで、小回りの利く船です。海難救助、犯罪取締りに活躍します。
職員からは「どろめ」の愛称で親しまれています。