沖縄から届け!美ら海の安全Tips
Tipsとは役立つテクニック・アドバイス。
沖縄の生活・文化を紹介しながら
海で安全に楽しく遊ぶためのアドバイスを届けます。
Vol.02 令和5年8月9日 サンゴが作った? グスクとリーフカレント |
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中城海上保安部管内の世界遺産グスク 中城城(上)と勝連城(下) |
沖縄では「城」と書いて「しろ」「じょう」のほかに「ぐすく」と読むことがあります。当部・中城海上保安部も「なかぐすく」と読みます。 |
リーフカレントはリーフ(reef。外礁とも言います。)に囲まれた池状の浅い海「イノー(礁池・しょうち)」で発生します。 満潮や高波によってイノーに入ってきた海水が、引き潮などによって外に出るとき、リーフの切れ目(リーフギャップ)に集まって、強い流れを生み出します。 この流れが離岸流であり、リーフにおいて発生する離岸流をリーフカレントといいます。 沖縄県内、そして中城海上保安部管内では、サーフィンやスノーケリングを含む遊泳中に、リーフカレントと思われる強い流れによって、陸岸に戻れなくなり、最悪の場合死亡・行方不明に至る漂流事故が毎年のように発生しています。 万一リーフカレントに流された際には、流れに逆らって泳ぐのはたいへん危険です。 リーフカレントの速さはおよそ秒速2メートル前後。 100メートル約50秒のスピードは、自由形競泳の世界記録に相当します。 つまり、オリンピック級のスイマーでも流れをさかのぼるのは困難で、いたずらに体力を消耗するばかりです。 流れが弱まったタイミングで岸と平行に泳いで、流れを脱けてから岸に戻るか、泳力に自信がなければ無理をせずに、救助が来るまで浮いて待つことで体力の消耗を抑えてください。 そもそもリーフカレントに巻き込まれないように、引き潮の時間帯や波の高いときに海に入らないことも、予防策として大切です。 また、第十一管区海上保安本部では、リーフカレントによる事故があった場所やリーフが発達してリーフカレントが発生しやすい海域をホームページで公開しています。 中城海上保安部が管轄している沖縄本島東海岸及び離島では、国頭村東岸や伊計島北東岸、宮城島東岸などの海域でリーフカレントへの注意を呼びかけています。 これらの海域は、監視員やライフセーバーが存在しない自然海岸がほとんどで、事故が起きたときの通報・救助の遅れも懸念されます。 このほか、リーフカレントによる漂流事故防止のため、海上保安庁では以下の対策も推奨しています。 ・監視救助体制の整った海水浴場での遊泳 ・複数での行動 ・万一の連絡ができるよう携帯電話の防水パックでの使用 ・ライフジャケットによる浮力の確保 リーフカレントについては、海上保安庁や第十一管区海上保安本部のホームページやYouTubeでも注意を呼びかけているので、こちらも参考にしてください。 沖縄の大地、そしてグスクも形成したサンゴがもたらすリーフカレント。 美ら海はただ美しいばかりでなく、その中に危険が潜んでいることを知ったうえで、 安全対策をとって、楽しく遊んでください。 なお、中城海上保安部も中城城も中城村も北中城村も同じ「なかぐすく」ですが、 中城海上保安部は中城村でも北中城村でもなく、沖縄市に所在することをお伝えしておきます。 (前身の中城海上保安署は中城村にありました。) ■ 資料画像出典/参考リンク先: ● 動画投稿サイトYouTube海上保安庁チャンネル 【海上保安庁】海難防止啓発アニメーション~動画でわかる海難防止!離岸流編~ (令和元年7月9日公開・第十一管区海上保安本部 製作) ● 第十一管区海上保安本部サイト内「リーフカレントに気を付けよう!」 ※発生海域マップは「④ 注意海域をピックアップ!」をクリックしてください。 |
ウォーターセーフティガイド 海上保安庁は、マリンアクティビティを安全に遊ぶための総合安全情報サイト「ウォーターセーフティガイド」をインターネットホームページで公開しています。 |
海の安全情報 海上保安庁は、全国の灯台等で観測した風向風速、気圧等の気象情報その他海の安全に役立つ情報を、「海の安全情報」としてインターネットホームページで公開しています。 |
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