西洋式灯台の誕生
日本が今のような灯台を建てるようになったのは、今から約130年前に、アメリカ・イギリス・フランス・オランダの4か国と結んだ江戸条約※1で、灯台などを建てる約束をしたことが始まりです。
もちろん、日本人の誰も西洋式の灯台を見たことがありませんので、フランスとイギリスに、灯台のレンズや機械の購入や技術指導を頼んでいましたが、その頃徳川幕府の体制が終わったので、明治新政府がこの仕事を引き継ぎました。
このようにして、明治2年1月1日に神奈川県三浦半島の観音埼に、日本で初めての西洋式灯台が誕生しました。※2作ったのは、ヴェルニー※3というフランス人です。
フランス人の作った灯台は東京湾の周りの4か所(観音埼、野島埼、品川、城ケ島)だけで、それから後は、ブラントン※4が率いるイギリス人によって作られました。ブラントンは、灯台を26か所に建て、灯船(とうせん)(灯台の役目をする船)2隻を造っています。
また、ブラントンは、新しくできた灯台にイギリス人の灯台員を住まわせて、日本人に灯台の仕事を覚えさせ、そのための教科書も作りました。 |
初代の観音埼灯台(神奈川県)。レンガでできていて地震で崩れたので建て替えられ、現在は3代目です。 |