なるほど航路標識

	なるほど航路標識～２　灯台の生い立ち～
灯台の生い立ち　人々が魚をとったり、物を運ぶために丸木舟やいかだに乗って、海に出たのはずいぶん昔のことです。その頃は目的地へ行ったり、出発地へ戻るため、山の頂や特徴のある大きな木、岬の突端などの自然にある物体を目印にしていました。　しかし、舟が大きくなり、航海術が発達してだんだん遠くへ出かけるようになると、遠い所からもよく分かるように、自然の物体以外の確実な目印を作ることが必要になってきました。　そのため、岬や島の上に石などで塔を建てて、たき火をしたり、煙をあげたりして、舟の目標とすることを考え出したのです。　これが灯台のそもそもの始まりです。　しかし、その歴史については、記録がないので詳しいことは分かりません。　世界で一番古い灯台は、紀元前２７９年にエジプトのアレキサンドリア港の入口、ファロス島に建てられたファロス灯台といわれています。　この灯台は、完成までに２０年かかり、高さが１３５メートルもあったといいます。こんなに高い塔が本当にあったのか、ちょっと信じられませんが、１４７７年まで建っていたといいますから、１７００年以上使われていたことになります。　このファロス灯台は、エジプトのピラミッドと同じように、世界の七不思議の一つに数えられています。日本では、今から約１３００年の昔、天皇の使の舟が唐の国（今の中国）に渡った帰りに、行方不明になることがあったので、舟の帰り道にあたる九州地方の岬や島で、昼は煙をあげ、夜は火を燃やして船の目印にしました。　これが日本での灯台の始めといわれています。