発表日
令和7年6月9日
概要
海上保安庁では、釣り愛好者の方々に、より安全に釣りを楽しんでいただくため、関係団体等と意見交換を行い、ウォーターセーフティガイド※「釣り編」を改修し、内容の充実強化を図りました。
※ 「ウォーターセーフティガイド」とは、釣り、遊泳、スノーケル、SUP、水上オートバイ等のウォーターアクティビティについて、誰もが安全に楽しむために知ってほしい情報をまとめた総合安全情報サイトで、平成30年4月に開設したものです。
本文
1 改修の趣旨
海上保安庁では、海難の発生状況や社会情勢等を踏まえて、ウォーターセーフティガイドを改修、掲載内容の充実を図っています。
過去5年間のマリンレジャーに伴う事故では、釣り中の事故が最も多く(図1)、事故内容ごとでは海中転落や岩場等に取り残される帰還不能、負傷が約9割を占めており、これらの事故は、周辺環境に対する不注意や気象海象不注意が原因と判明しています(図2)。そこで、これら釣り中の事故者数を減らすため、関係団体等と意見交換を行い、ウォーターセーフティガイド「釣り編」を改修し、具体的な事故防止策等を掲載しました。また、釣り関係団体への聞き取り調査において、ルール・マナーを守ることが安全な釣り場の確保につながることから、ルール・マナーに関する内容を掲載したほか、現状を踏まえて、その他内容の充実を図りました。
(左)図1 マリンレジャーにおける事故発生状況(過去5年)
(右)図2 釣り中の事故内容と事故原因の種類 (過去5年)※不可抗力等204件を除く
2 具体的な改修箇所について
(1) 釣り場ごとの注意点
海での釣りは、防波堤や岸壁のほかに磯や砂浜など様々な活動場所があります。これらの釣り場では、海難の傾向や安全に釣りを行うための注意点が異なることから、それぞれの釣り場に応じた注意点を新たに掲載しました。一例としては以下のとおりです。
- 防波堤・岸壁:立入禁止区域が設定されていない場所で釣りを行うほか、足元に注意して釣りを行いましょう。
- 磯:固型式ライフジャケットの着用や釣り場の環境に合わせた履物を選択しましょう。また、磯場に取り残されることがないように気象・海象を確認しましょう。
- 砂浜:遊泳者等の他の海域利用者に注意するほか、波打ち際から安全な距離をとりましょう。
また、全ての釣り場で注意すべき点として、「釣りをする際の行動について」も以下のとおり掲載しておりますので、併せてご確認いただき、より一層安全に釣りを楽しんでいただければと思います。
釣りをする際の行動について~5つのポイント~
(2) 気象・海象について
釣りは気象・海象に大きく左右されるアクティビティです。釣りに行く前に気象・海象を確認することはもちろんですが、釣り中にあっても気象・海象の確認を行いましょう。ポイントは以下のとおりです。
- 釣りに行く前に釣り場の警報や注意報、風、波、雷等を確認する。
- 場合によっては釣りの中止や気象・海象が穏やかな場所に変更する。
- 足場が濡れているところは波が打ち寄せたり水没の可能性あり。
- 釣り中も常に気象情報を収集し不安を感じたら安全を第一に行動する。 等
(3) ルール・マナー
安全な釣り場を維持するためには、ルールとマナーを守って釣りをすることが大切です。このため、釣り場におけるルールとマナーを新たに掲載しました。内容については以下のとおりです。
- 立入禁止区域に入らない
- 漁業調整規則等を守る
- 釣り場はきれいに使用する
- 適切な間隔で釣りをしよう
- 係留船や漁具の周りで釣りをしない
- 作業者や周辺住民に配慮しよう
- 持ち帰らない魚はリリースしよう
(4) その他
一口に釣りといっても様々な釣り方や魚種があることから、「夜釣り」や入水しながら釣りを行う「ウェーディング」、「危険な生物」についても新たにページを設けました。さらに、近年ではSUPやカヌーを使用して釣りを行う方もいることから、これらを運航するうえで必要な知識・技能をまとめたページのリンク集も設けました。
また、従来から掲載するライフジャケットや履物等の装備のページ、そして、事故事例についても内容を充実させています。