硫黄島南岸沖の火山活動について(11月10日観測)

発表日

令和5年11月10日

概要

11月10日、第三管区海上保安本部 羽田航空基地所属航空機により、硫黄島の火山観測を実施したところ、硫黄島南岸の翁浜沖(おきなはま)約1kmの海上で噴気を上げている新島を確認しました。海上保安庁では、航行警報を発出しています。付近を航行する船舶は注意してください。

本文

観測結果

 硫黄島南岸の翁浜沖約1kmの海上(北緯24度45.4分東経141度19.6分)において、高さ数十mの噴気を上げている新島を確認しました。噴火は確認されませんでした。
 噴気を上げている火砕丘は新島の南端中央付近にあり、北、東、西の3方向に陸地が形成され、新島全体の大きさは南北約400m、東西約200mでした。
 新島周辺で濃い茶色~濃い黄緑色の変色水を確認しました。

 海上保安庁では航行警報等を発出して、付近を航行する船舶に注意を呼びかけています。

東京工業大学 科学技術創成研究院 多元レジリエンス研究センター 火山・地震研究部門 野上健治教授(航空機同乗)のコメントは以下のとおりです。
  1. 小規模な溶岩流と火砕丘及び火山噴出物からなる新島を確認した。溶岩流からは水蒸気が上がっていたが、流出は停止している。
  2. 火砕丘からも噴気が上がっているのみで、噴火は確認できなかった。
  3. 北側に伸びている陸地にも熱活動は認められず、火山噴出物が浅いところに堆積しているだけといえる。波浪による浸食によって、縮退していくものと考えられる。
  4. 現状では、海水による冷却が進んでおり、今回の噴火活動は停止状態にあるといえる。
  5. 濃厚な変色域は現在も広い範囲に分布しており、熱水活動は現在も活発な状態が維持されていることに留意すべきである。

気象庁によると、硫黄島南岸の翁浜沖では、令和3(2021)年8~9月、令和4(2022)年7~8、10、12月、令和5(2023)年6月に噴火が確認されています。最近では、10月21日から噴火の再開が確認されていました。



図1 翁浜沖の新島の様子
(11月10日13:06 撮影)

図2 翁浜と新島
(11月10日13:00 撮影)

図3 硫黄島の位置図