1 治安の確保
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海上では、国内外の犯罪組織が関与する密輸・密航等の我が国の治安や私達の安全を脅かす様々な犯罪が発生しています。検査を受けていない船舶を航行させる無検査航行などの船舶の安全確保 を無視した犯罪や、漁業資源が減少するなか、適切な資源管理を行うためのルールを無視した水産資源の乱獲により、漁業者の生活を脅かす悪質な密漁事犯などの取締りを実施しています。 また、過去に大量密航事件、覚せい剤密輸入事件などの犯罪が発生していることから、密輸・密航を水際で阻止するため、警察、税関等の関係機関と連携して、監視、取り締まりを実施しています。 この他、テロ対策についても、警察、税関、港湾管理者等の関係機関と連携・協力し、保安対策等を推進するとともに、ゴールデンウィークや夏休み、年末年始等の旅客の移動が活発になる時期には、 人が多く集まる旅客ターミナル等において重点的な警備を実施するほか、旅客船事業者による自主警戒の徹底につき周知・指導を行っています。
2 生命を救う
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スクーバダイビング等のマリンレジャー愛好者や漁業従事者に海の危険性や自己救命策の確保の必要性について周知・啓発を行い海難の未然防止に努めるとともに、船舶の衝突、浅瀬や漁業施設への 乗揚げ等の事故が発生した際には、迅速的確な救助活動を実施するなど、尊い人命を救うことに全力を尽くしています。
3 青い海を守る
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自治体及びボランティアで海上防犯活動や海洋環境保全の啓発を行う海上保安協力員などとも連携し、海洋環境保全に関する指導・啓発活動を実施しています。 この活動の一環として、未来を担う子供たちを対象に「海洋環境教室」や「未来に残そう青い海・海上保安庁図画コンク ール」等を開催しています。 また、海の汚染を防止するため、廃棄物不法投棄、 工場などからの汚水排出、船舶からの油排出などの取締りを行っています。
4 災害に備える
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奄美海上保安部が中心となって、大規模排出油事故などに備えた地区協議会を設置するなど適切な災害の防除体制を構築するとともに、毎年、大規模排出油事故を想定した実動訓練または机上訓練等 を関係機関と連携して奄美群島の各島で実施しています。 また、近い将来の発生が懸念されている南海トラフ巨大地震などの自然災害に対しては、災害が発生した場合には、人命・財産を保護するために災害応急活動を実施するほか、自然災害の発生に備えるための 研修や訓練等を積極的に実施するとともに、関係機関と連携した災害対応訓練に積極的に参画しています。
5 海上交通の安全を守る
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奄美海上保安部管内には、港則法に基づく特定港で奄美群島と本土を結ぶ物流と交流の要衝である名瀬港があり、名瀬港長(奄美海上保安部長)が港内の船舶交通の安全及び港内の整頓を図っています。 また、管内には多くの船舶が航行しており、適正な航法の励行、台風来襲時の早期避泊など事故防止に関する 基本的事項を遵守するよう機会あるごとにきめ細かく関係者を指導しています。 加えて、管内での海難の多数を占めるプレジャーボート等の小型船に対し、衝突、乗揚げなど、海での事故を減らすために、巡視船艇による訪船指導、声掛けを実施するとともに、小型船舶操縦士免許更新時 講習に合わせて安全指導を実施しています。 プレジャーボートなどの小型船の安全航行のために、ボランティアで活動する海上安全指導員と協力して合同パトロールなどの安全指導を行っています。 奄美群島内に点在する船舶航行の道しるべとなる灯台や導灯等、38の航路標識の管理を行うとともに、海上保安庁以外が設置する航路標識の設置許可や指導も行っています。
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