白赤横帯塗色
航路標識の塗色及び灯質の選定基準に、「防波堤灯台等で左舷(塗色:白、灯色:緑)又は右舷(塗色:赤、灯色:赤)を明示する灯台以外は、 原則として塗色:白、灯色:白」とあります。
ただし、「背景又は地理的な条件等により、白色では視認が困難である場合においては、白色と赤色又は白色と黒色をそれぞれ交互に帯状に塗色
することができる」と定めています。
また、二色を用いる場合の塗り分けについても、「白色と赤色又は白色と黒色をそれぞれ交互に帯状に塗色する場合の赤帯及び黒帯の幅は、地上
から構造物の頂部までの高さをほぼ奇数等分した値になるように塗色する」という基準があります。
白地に赤帯灯台は、当灯台(福井県)以西では島根・長崎に各2、鳥取・兵庫・徳島・愛媛・熊本・鹿児島に各1
標識あるだけです。
また、白赤横帯塗色の灯台で灯火の色も「赤」であるのは珍しく(原則的に白光です)、赤礁埼灯台と北海道の「サロマ湖口灯台」だけです。赤礁埼灯台については、昼標効果と灯台の北方に干出岩の危険海域があり、港に入るための右舷標識として「赤色灯火」に
したものと思われます。
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〜余話@〜
昭和32年の映画、灯台守の半生を描いた「喜びも悲しみも幾年月」は総天然色(当時、カラーと
は言わなかった)のため、北海道・石狩灯台で冬のシーン撮影の際、雪の中でも目立つように白赤に
塗り替えられました。色彩効果を出すためでしたが、視認性がよいため、他の積雪地の灯台も赤帯を
採用するようになりました。 ノッシャップ公園と稚内灯台
白地に赤帯は1〜3本がほとんどですが、北海道の稚内灯台は地上から頂部まで約43m、赤帯が
6本あり遠くからでは発電所の煙突のようにも見えます。
なお、北海道・東北地方には、白赤のほか白地に黒帯の灯台も多数あります。
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〜余話A〜
海の浅瀬で岩石またはサンゴ礁の凸部を一般に「礁」という字をあてます。この岩場の上や付近に設置する灯標及び
灯浮標の名称で「礁」を付けているところが多くありますが、「礁」は地方によっていろいろな呼び方を
しています。概ね、日本海側では「グリ」、瀬戸内海では「ゾワイ」「ソワ」、太平洋側・九州・沖縄では
「ショウ」と呼ぶのが多いようです。「セ」「ベ」と呼ぶものもありました。特に島根県では、カタカナで「グリ」
の付く航路標識が多数あります。当管内では福井県若狭町に「黒グリ灯標」があります。
なお、赤礁埼灯台の所在する地番は同じ「アカグリ」でも「赤栗」の字が当てられています。 |
〜余話B〜 全国の航路標識(灯台、灯標、灯浮標)名称の中に使われている『色』には、藍(あい)、 赤、青、黄、金、黒、緑、水、桃、鼠、白等があります。
当管内では、航路標識の名称に「色」が使われているものとしては、赤、黒の他に白(「白浜港沖防波堤灯台」)があります。 |