業務紹介

あらまし
 当部では、九州北西方海域における治安の維持、船舶交通の安全確保、海難救助、海洋環境の保全、海上防災に関する業務を所掌しています。管轄区域は、長崎県北部の佐世保市など4市2郡であり、担任水域は壱岐・対馬付近等を除く県北西部の海域となっています。
 佐世保港には米海軍及び海上自衛隊の基地が置かれ、また、海上空港である長崎空港があることから、米艦船の寄港時、皇族、外国要人の訪問時等における警衛、海上警備を重要な業務としています。
 当部海域は、大陸及び朝鮮半島と隣接し銃器・薬物及び密航事犯のぐ犯海域であることから、情報収集体制の強化等により、水際での検挙に職員一同全力で対応しています。さらに、管内海域は好漁場であることから、不法操業が行われており、重点的な取締りを実施し、これに対応していくこととしています。
 一方、離島を抱え、多数の旅客船が就航していることから、その海難防止、救難対策及び離島からの急患輸送に取り組んでいます。
 また、船舶交通の安全確保のため、灯台、灯標等の航路標識を適切に管理運用するとともに、港湾整備等に伴い適正な航路標識の整備が図られるよう必要な調査等を計画的に進めています。
保安部の組織
海上における警備
 米軍佐世保基地への米艦船寄港等の際の海上警備は当部の主要業務の一つであり、寄港に伴う不測の事件事故が発生することのないよう、関係機関との連携を強化して公共の安全の確保と秩序の維持に努めています。

平成20年2月 米原子力空母「ニミッツ」寄港時

平成20年12月 米原子力潜水艦「ブレマートン」寄港時

海難の防止
 管内には、多数の離島をはじめハウステンボスといったリゾート型レジャー施設、長崎空港等があり、これらを結ぶカーフェリー、旅客船等が多数就航しているため、海難防止強調運動推進連絡会、佐世保港等船舶安全運航連絡協議会と連携を図り、効果的な海難防止対策に取り組んでおります。また、旅客船事業者の安全対策の調査を行い、利用客の事故時の安全確保に努めております。
 また、九十九島海域、大村湾を中心にプレジャーボート、水上オートバイ等海洋レジャー活動が活発であり、「佐世保地区小型船安全協会」、「平戸地区小型船安全協会」等と協力して安全指導を積極的に行っています。
港内交通の安全
 港内では、狭あいな海域に多数の船舶が頻繁に出入りし、しかも停泊、荷役等の場所でもあり、一度事故が発生した場合には、船舶航行安全や荷役等の作業に多大な影響を与えるおそれが大きいことから港則法の適用港においては、特別の交通ルールを定めるとともに、工事、作業、漁ろう等について規制を行っています。
 同法では、この港のうち、大きな船舶あるいは外国船舶が常時出入りする港を特定港として定めています。
 佐世保港は、港則法に基づく特定港に指定され、上記の規制に加えて、入出港の届出、びょう地の指定等船舶の動静を把握するために必要な措置を定めるとともに、高後埼信号所において、佐世保水路を航行する総トン数500トン以上の船舶に対し航行管制を実施し、佐世保港における船舶交通の安全と整とんを図っています。
 なお、佐世保港の港域の8割以上が日米地位協定第2条に基づく米軍への提供水域となっており、これらの水域での業務の実施に当たっては、米軍との調整を行なっています。
放射能調査
 原子力艦船が入港することが判った場合には、佐世保港の放射能調査を次のように実施しています。

  • 入港日の前日には、予め決められているポイントの調査を行い、入港前のデータを測定します。
  • 入港日、出港日には原子力艦船の入出港に合わせ、艦船を追尾して調査をします。
  • 原子力艦船が停泊している場合には、艦船の周辺及び定められたポイントの調査及び停泊場所付近の海水の採取を毎日実施します。
  • 出港日の翌日は、係留場所付近海底の泥を採取しています。採取した海水、海底土は、原子力規制庁において分析されます。

 また、原子力艦船が入港していない場合にも、通常の放射能を測定するため、1ヶ月に数回、佐世保港内に予め定められたポイントの放射能調査を行います。さらに、佐世保港の放射能の長期的変化を調査するため、年4回(1回4日間)定期調査を実施しています。

放射能調査艇 MS02 さいかい