21世紀は環境の世紀と言われ、国の内外で環境に対する意識が高まってきています。
私たちは、「未来に残そう青い海」をスローガンに
- ゴミのない海岸線
- 安心して泳げるきれいな海
- 海中散歩も楽しめる透明度の高い海
- さわやかな磯の香り
- 潮騒に耳に傾け安らぎを得られる静かな海を取り戻し、次世代に残すこと
を目標としています。 |
第七管区海上保安本部では、次のような海洋環境保全に関する各種法律違反の監視取締り・調査を行っています。 |
海洋汚染の監視・取締りで採取した資料から、海洋汚染の原因となる物質の分析・鑑定業務を行 っています。 |
ガスクロマトグラフ質量分析計による
揮発性有機化合物・有害液体物質・
石油類等の分析 |
油類の分析作業 |
窒素やリンが海水に流入することによる富栄養化が原因となってひきおこされ、微少な藻類が著しく増殖し、水が赤褐色などの色に変色する現象を赤潮といいます。
赤潮などの発生は、しばしば魚介類の大量死をもたらし、漁業等の産業に大きな被害を与えることがあります。 |
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海洋の富栄養化に伴い、過剰な有機物が海底付近で海洋中のバクテリアによる分解過程において大量の酸素が消費されるため、無酸素状態となっていきます。
これらの無酸素状態の水塊が移動したときに、光の散乱により乳白色や青緑色に見えます。主に東京湾で確認されています。 また、これらの海域では、酸素が少ないので魚介類は住むことができません。
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船から違法に海に流された油・海難事故によって出た油、海底油田からの漏れ等で流れ出た油は、海を長時間漂流するうちに、蒸発しやすい部分が無くなり、溶けたチョコレートのような状態になります(これをチョコレートムースと呼んでいます)。
この状態で、さらに油の蒸発が進み、波浪等により丸みを帯び、黒いボール状の塊となります。この塊を廃油ボールと呼んでいます。廃油ボールは、海洋動植物に影響を及ぼし、海洋環境を大きく破壊しています。七管区内では、長崎県等の海岸や海浜で確認されています。 |
海岸で確認された廃油ボール |
岩場に漂着した廃油ボールが気温の上昇
にともない、溶けて付着したとみられるもの |
小さな錠剤のようなプラスチック片です。プラスチックの中間材料で、これを溶かして整形し、様々な製品に生まれ変わります。半透明・白色のものが多く、色の付いた物もあります。
本来、工場や荷役関係者でなければ見ることはないはずですが、世界中の海岸で漂着が確認され、日本の海岸でも見ることができます。原因としては、荷役作業中にこぼれ出たもの、工場から排水・雨水に混ざって流れ出たもの、不法投棄によるもの等が考えられます。
一つ一つは小さな粒で目立ちませんが、なかなか分解せず、海洋に長い間漂流するため、魚や海鳥が、エサや消化を助ける小石と間違えて飲み込むケースがあり、実際にそれら死骸の消化器の中から見つかっています。
プラスチック自体は無害でも、ある種の有害物質を吸着する例もあり、飲み込んだ鳥・魚類への影響が懸念されています。
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レジンペレット
ビーズのような小さなプラスチック玉
で、大きさは数ミリ程度です。 |