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平成24 年の海洋汚染の現状について(第五管区海上保安本部管内速報値)

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平成24年の第五管区海上保安本部管内における海洋汚染の発生確認件数(以下「件数」という。)は28件であり、平成23年の38件から約26%減少しましたが、船舶からの油類による海洋汚染が全体の半数を超え、依然として高い割合を占めています。
1 汚染物質別
油類による汚染が19件で前年(30件)に比べ11件減少しましたが、全体の約3分の2を占めています。油類以外の廃棄物等による汚染が9件で、前年(8件)に比べ1件増加しました。
【図1参照】
2 海域別
大阪湾18件(前年17件)と最も多く、全体の約64%を占め、次いで本州四国南岸6件(前年13件)、瀬戸内海東部4件(前年8件)と続いており、大阪湾以外の海域において油類による件数が大幅に減少しています。
【図2、図3参照】
3 排出源別
船舶からの排出が15件と前年(27件)から大幅に減少したものの、全体から排出源不明の4件(前年0 件)を除いた約63%が船舶からと最も多く、次に陸上からの排出が8件(前年9件)と例年同様になっています。
【図4参照】
4 原因別
海難事故による件数が大幅に減少していますが、費用や手間を惜しんで船舶からビルジ(船底に溜まった油性混合物)を違法に排出する等「故意」によるもの9件(前年12件)燃料補給時に機器やバルブの取扱不注意により排出させる等「過失」によるもの10件(前年12件)と、「故意」及び「過失」といった人為的な要因が、全体の6割以上を占め依然として最も多くなっています。
また、船舶から油類及び有害液体物質を「故意」及び「過失」により排出したものは11件(前年15件)であり、全体から排出源不明を除いた件数の46%と前年(39%)より高い割合を示しています。
【図5参照】
これらの状況を踏まえれば、船舶からの人為的要因による油類の排出を更に低減させていくことが海洋汚染を抑制していく一つのポイントと考えており、大阪湾をはじめとする各港において訪船指導を継続していくことはもとより、「未来に残そう青い海」をスローガンに掲げ、海事・漁業関係者はもとより広く一般市民の海洋環境保全思想の普及のための海洋環境保全講習会の開催等による指導・啓発活動と共に、巡視船艇・航空機及び陸上からの監視取締りを実施してまいります。
 

1.発生確認状況の推移
(1)海洋汚染の発生確認件数・・・28件 〔前年38件:-10件(-約26%)〕
(2)汚染物質別の件数
① 油類による汚染・・・・・19件 〔前年30件:-11件〕
※「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」で定義された油(重油、潤滑油、軽油等)、動植物油、船舶廃油、陸上廃油などの排出による海洋汚染
② 油類以外の汚染・・・・・・9件 〔前年8件:+1件〕
※産業廃棄物、一般廃棄物の不法投棄及び有害液体物質、工場排水などによる海洋汚染


2.海域別の発生確認状況
(1)海域別の発生確認状況は、次のとおりです。
① 大阪湾・・・・・18件 〔前年17件:+1件〕
② 瀬戸内海東部・・・4件 〔前年 8件:-4件〕
③ 本州四国南岸・・・6件 〔前年13件:-7件〕

(2)海域・物質別(油類、廃棄物等)の発生確認状況は、次のとおりです。
① 大阪湾・・・・・・油 類 14件 〔前年16件:-2件〕
有害液体物質 1件 〔前年 0件:+1件〕
廃棄物 2件 〔前年 1件:+1件〕
工場排水 1件 〔前年 0件:+1件〕
② 瀬戸内海東部・・・油 類 1件 〔前年 4件:-3件〕
廃棄物 3件 〔前年 4件:-1件〕
③ 本州四国南岸・・・油 類 4件 〔前年10件:-6件〕
有害液体物質 1件 〔前年 0件:+1件〕
廃棄物 1件 〔前年 2件:-1件〕
工場排水 0件 〔前年 1件:-1件〕
(図3)


3.排出源別の発生確認状況
排出源別(船舶、陸上)の発生確認状況は、次のとおりです。
① 船舶から排出されたもの・・・15件 〔前年27件:-12件〕
② 陸上から排出されたもの・・・・8件 〔前年 9件: -1件〕
③ その他(浮桟橋から)・・・・・ 1件 〔前年 2件: -1件〕
④ 不明・・・・・・・・・・・・・4件 〔前年 0件: +4件〕


※ 排出源別の割合(船舶からの排出)
・平成23 年 27 件 約71%(不明0 件)
・平成24 年 15 件 約63%(不明を除いた24 件に対する割合)
内訳;油類13 件、有害液体物質2 件

4.原因別の発生確認状況
原因別の発生確認状況は、次のとおりです。
① 故意・・・・・・・9件 〔前年12件:-3件〕
・排出源;船 舶 3件 (油類2件、有害液体物質1件)
陸 上 5件
その他 1件
・排出物;油 類 2件
有害液体物質 1件
廃棄物 6件
② 過失・・・・・・10件 〔前年12件:-2件〕
・排出源;船 舶 8件 (油類7件、有害液体物質1件)
陸 上 2件
・排出物;油 類 8件
有害液体物質 1件
工場排水 1件
③ 海難・・・・・・・1件 〔前年 7件:-6件〕
④ 破損、不明・・・・8件 〔前年 7件:+1件〕


故意及び過失による船舶からの油類、有害液体物質の排出 ・・・・11件〔前年15件〕
※故意・・・投棄者の故意により廃棄、排出されたもの。
■海洋汚染の発生確認件数
・管内の大阪湾、瀬戸内海東部(播磨灘エリア)、本州・四国南岸(和歌山・徳島・高知県沖エリア)の各海域・沿岸部での油類、廃棄物等の排出による海洋汚染を確認した件数です。
同件数については、巡視船艇・航空機による監視取締りのほか、海上保安協力員や一般市民の方々からの「118 番」通報等を受け、現場海域における海洋汚染の状況を調査し、顕著な汚染を確認した件数です。
※過失・・・行為者の取扱不注意により排出されたもの。
※破損、不明・・・パイプ、ポンプ、バルブ等施設の破損による排出又は原因不明のもの。



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