明石海峡のいかなご盛漁期における安全対策の強化について
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明石海峡のいかなご盛漁期における安全対策の強化について
明石海峡は、1日728隻(平成23年実施の通航船舶実態調査による。)の様々な船舶が通航する我が国有数の海上交通の要衝であると同時に、古来の好漁場で漁業活動が盛んであり、今年は2月23日に実施された試験操業の結果、2月27日から早春の風物詩であるいかなご漁の操業が開始されることが決定されました。
昨年の1日最多出漁隻数は120統(360隻)で、いかなご盛漁期には、明石海峡航路付近海域がこれらの漁船により輻輳します。
このため、第五管区海上保安本部では、明石海峡航路付近で操業する漁船と航路を通航する船舶との衝突海難を防止し、円滑な通航と操業漁船及び通航船舶の双方の安全を確保するため、今年も次のようないかなご盛漁期における安全対策に取り組みます。
1、事前の関係者との連絡会議等の開催
漁業者、水先人、進路警戒船や旅客船、カーフェリー関係者等に対して、次の事項について、協力要請を実施しています。
通峡船舶関係者への協力要請
- 可能な限り操業時間帯の通航自粛
- 操業漁船の状況等の早期情報入手
- 国際VHF16ch の常時聴守
- 航路内での無理な追い越しの自粛
- 漁船い集海域での安全な速力による航行
- 配備する巡視船艇との緊密な連絡保持
- 止むを得ず航路を外さざるを得ない場合の速報
漁業関係者への協力要請
- 操業予定海域の通知
- 大型船等入航予定情報の事前入手
- 巨大船の進路を避航、巨大船等通峡時の可航幅の確保
- 巡視船艇、指導警戒船からの指導に対する協力
- ライフジャケットの常時着用
連絡会議等開催状況
- 操業者代表、指導警戒船船長との打合せ(2月2日)
- 水先人、進路警戒船、旅客船、カーフェリー関係者との安全通航のための連絡会議(2月10日開催)
- 関係漁業協同組合との安全操業のための連絡会議(2月13日開催)
- 操業者に対する安全操業のための講習会(2月14日開催)
2、期間中の対策
(1) 操業時間帯に巡視船艇を明石海峡航路付近に2隻配備し、現場海域における交通整理、航行指導体制を強化する。
(2) 操業時間帯に大阪湾海上交通センターの、監視体制、操業に関する情報提供を強化する。
(3) 操業時間帯に民間の指導警戒船を、1日2隻配備する。
3、いかなご漁の特徴
いかなご漁は次のような形態で行なわれます。
操業期間及び時間帯
例年2月下旬から4月上旬の日出時~正午ころまで(昨年の操業期間は3月3日から4月17日まで。終了時期は、漁獲の減少により決定される。)
※ 昨年は4月18日からいかなご間引き漁(来季以降、いかなご資源の確保等の理由による)が始まる。
※ 昨年は4月18日からいかなご間引き漁(来季以降、いかなご資源の確保等の理由による)が始まる。
いかなご(新子)の生態
いかなごとは、スズキ目イカナゴ科の小魚で、今年生まれた新子(体長2~6センチ程度)が、潮流にのって表層を漂流している。
いかなご:スズキ目イカナゴ科
「シンコ(新子)」今年生まれたもの(2cm~6cm程度)
「フルセ(古背)」2~3年魚(10cm~13cm程度)
いかなご:スズキ目イカナゴ科
「シンコ(新子)」今年生まれたもの(2cm~6cm程度)
「フルセ(古背)」2~3年魚(10cm~13cm程度)
操業形態
いかなごは潮流にのって表層を漂流しているため、潮流と逆方向に、潮流とほぼ同速力で漁網をひいて捕獲する。
漁網の長さは約200メートルで、漁船2隻がペアになり漁網をひく。このため、操縦性能は極めて制限される。漁網の末端付近には、漁獲物運搬船1隻が警戒を兼ねて付き添っており、漁網をひく漁船と常に3隻1組(1統と呼称)で操業する。
漁網の長さは約200メートルで、漁船2隻がペアになり漁網をひく。このため、操縦性能は極めて制限される。漁網の末端付近には、漁獲物運搬船1隻が警戒を兼ねて付き添っており、漁網をひく漁船と常に3隻1組(1統と呼称)で操業する。
操業漁船隻数
明石海峡航路周辺海域で操業する漁船は、神戸市漁協等8つの組合の所属漁船で、許可隻数は316隻。(平成24年2月兵庫県水産課データ)