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平成23 年の海洋汚染の現状について

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平成23年の第五管区海上保安本部管内における海洋汚染の発生確認件数(以下「件数」という。)は38件であり、その内訳は油類30件、(前年+10 件)、油類以外8件(±0 件)、赤潮0件(±0 件)となっています。【図1参照】

「海域」別では大阪湾16件(前年+6 件)、瀬戸内海東部4件(前年+2 件)、本州四国南岸10件(前年+2 件)と何れの海域とも油類による件数が増加しています。【図2、図3参照】

「排出源」別では、船舶からの排出が27件と全体の71%を占めており、そのうちの26件が油類を排出させたものです。【図4参照】

汚染の「原因」別では、費用や手間を惜しんで船舶からビルジ(船底に溜まった油性混合物)を違法に排出する等の「故意」によるもの12件(前年+3 件)や燃料補給時による機器等の取扱不注意により排出させる等の「過失」によるもの12件(前年-1 件)のほか、「海難」、「破損等」によるものがあります。全体38件のうち船舶からの排出に直接つながる「過失」及び「故意」といった人為的要因によって船舶から油類を排出したものが15件と全体の39%を占めており、高い割合を示しています。【図5参照】

これらの状況を踏まえれば、船舶からの人為的要因による油類の排出を低減させていくことが海洋汚染を抑制していく一つのポイントと考えており、訪船指導を継続していくことはもとより、「未来に残そう青い海」をスローガンに掲げ、海事・漁業関係者はもとより広く一般市民の海洋環境保全思想の普及のための海洋環境保全講習会の開催等による指導・啓発活動を実施し、海洋環境対策に取り組んでまいります。


海洋汚染の確認件数
管内の大阪湾、瀬戸内海東部(播磨灘)、本州・四国(和歌山、徳島、高知県)の各海域・沿岸部での油類、廃棄物等の排出による海洋汚染を確認した件数です。
同件数については、巡視船艇・航空機による監視取締りや一般市民の方々からの「118 番」通報等を受け、現場海域における海洋汚染の状況を調査し、顕著な汚染を確認した件数です。


1.海洋汚染の発生確認状況の推移

(1)海洋汚染の確認件数・・・・38件 (前年28 件:+10 件(+約36%))
(2)汚染物質別の件数
①油類による汚染・・・・・・30件 (前年20 件:+10 件)
※「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」で定義された油(重油、潤滑油、軽油等)、動植物油、船舶廃油、陸上廃油などの排出による海洋汚染
②油類以外の汚染・・・・・・・8件 (前年8 件:増減なし)
※産業廃棄物、一般廃棄物の不法投棄及び工場汚水排水などによる海洋汚染

 
海洋汚染発生悪人状況




2.海洋汚染の海域別の発生確認状況

管内3海域ごとの汚染発生確認状況は、次のとおりです。
(1)大阪湾・・・・・17件 (前年11件:+6件)
(2)瀬戸内海東部・・・8件 (前年 6件:+2件)
(3)本州四国南岸・・13件 (前年11件:+2件)
 
海洋汚染の海域別の発生確認状況



3.海洋汚染の海域、種類別の発生確認状況

管内3海域ごとの海洋汚染の種類別(油、廃棄物等)確認状況は、次のとおりです。
(1)大阪湾・・・・・・油 類 16件 (前年10件:+6 件)
廃棄物 1件(前年 1件:増減なし)
(2)瀬戸内海東部・・・油 類 4件 (前年 2件:+2 件)
廃棄物 4件 (前年 1件:+3 件)
工場排水 0件 (前年 3件:▲3 件)
(3)本州四国南岸・・・油 類 10件 (前年 8件:+2 件)
廃棄物 2件 (前年 2件:増減なし)
有害液体 0件 (前年 1件:▲1 件)
工場排水 1件 (前年 0件:+1 件)

 
海洋汚染の海域、種類別の発生確認状況





4.排出源別発生確認状況

海洋汚染の排出源別(船舶、陸上)の確認状況は、次のとおりです。
(1)船舶から排出されたもの・・・27件 (前年21件:+6 件)
(2)陸上から排出されたもの・・・・9件 (前年 7件:+2 件)
(3)その他(浮桟橋から)・・・・・ 2件 (前年 0件:+2 件)


※ 排出源別の割合(船舶からの排出)
・平成22 年 21 件 約75% ⇒ 平成23 年 27 件 約71% とほぼ横這い
※ 船舶からの油類の排出 26 件/27 件(1 件は廃アルカリ水)
 
排出源別発生確認状況




5.海域別・原因別発生確認状況
管内3海域の海洋汚染の原因別の発生状況は、次のとおりです。

(1)大阪湾
・故意 4件 (前年3件)
・過失 5件 (前年7件)
・海難 3件 (前年1件)
・破損、不明 5件 (前年0件)
(2)瀬戸内海
・故意 4件 (前年2件)
・過失 2件 (前年3件)
・海難 2件 (前年0件)
・破損、不明 0件 (前年1件)
(3)本州四国南岸
・故意 4件 (前年4件)
・過失 5件 (前年3件)
・海難 2件 (前年3件)
・破損、不明 2件 (前年1件)
【3 海域の原因別の合計件数】

故意・・・・・12 (前年9 件)
排出源;船舶5 件、陸上5 件、その他2 件
排出物の種類;油類4 件、廃棄物8 件

過失・・・・・12 (前年13 件)
排出源;船舶11 件、陸上1 件
排出物の種類;12 件(すべて油類)

・海難・・・・・・7件 (前年4 件)

・破損、不明・・・7件 (前年2 件)

※ 故意及び過失による船舶からの油類の排出・・・15 件

 

※故意・・・投棄者の故意により廃棄、排出されたもの。
※過失・・・行為者の取扱不注意により排出されたもの。
※破損、不明・・・パイプ、ポンプ、バルブ等施設の破損による排出又は原因不明のもの。
 
海域・原因別発生確認状況



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