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 2010.Apr.18 浦賀水道航路の安全を守るためのパトロールを紹介
 
 浦賀水道航路は、東京湾の出入り口にあたる航路で、1日当たりの通航船舶は、貨物船やコンテナ船、タンカーなど約500隻もの船が行き来します。
 通航する船舶の数は時刻によって大きく変わりますが、浦賀水道航路を北に上る船(北航船)は、早朝5時〜7時頃が、反対に南に下る船(南航船)は、夕方6時頃がピークとなります。

 航路幅が上り(北航)下り(南航)とも、それぞれ700メートルの航路幅があります。
 「幅が広いなぁ」とお思いでしょうが、自動車とは比べよ うもない、数万トンの大きな貨物船が、ラッシュ時には何隻も連なり同じ方向に進むわけですが、船には自動車に付いているようなブレーキはありませんので、 急激に速力を落とすためにはスクリュー(推進器:飛行機のプロペラと同じ)を逆回転させるしか方法がありませんし、船が大きくなればなるほど、止まるまで の時間がかかりますので、船はそれだけ止まるまでの距離が必要となります。言い換えれば簡単には止まれないのです。
 さらに、浦賀水道航路は、東京湾の入り口から中ノ瀬の出口までが、大きくS字に曲がっていますので、カーブしている地点では、それぞれの船が方向を変えますので、あまりにも船同士が近づいている場合には、非常に危険な状況になります。
 私たちは、これまで何度となく浦賀水道航路のパトロールをしてきましたが、未だに安心してパトロールをした事がありません。

航行指導をするため船尾に近づく巡視艇すがなみ
 船尾に近づき、拡声器で呼びかけ、東京湾の航法が書かれたリーフレットをタモ網に入れて渡します。けして安全な作業ではなく、さらに船長の操船が試される作業です。
 
 東京湾では、過去に大きな衝突事故も起こっていますので、パトロールにも熱が入りますし、少しでも危険な航行と判断すれば、即座にその船に近づき、無線や拡声器などで注意喚起し安全航行を励行させるよう努めています。
  下の写真は、4月18日(日)に、当部所属の「巡視艇すがなみ」がパトロール中に、浦賀水道南航路を航行中のカンボジア船籍の貨物船が行先信号不表示とい うことで、VHFで呼びかけましたが十分な理解が得られなかったため、航行中の同船に船尾から近づき、東京湾内の航法がわかりやすく図に書いてある当庁の リーフレットを渡しましたところです。
 また、こういった貨物船の場合、必ず日本の輸出入代理店がありますので、そちらからも、同様の事象が再発がないよう指導しています。
 このように、私たちは、一般の方々の目にとまらないところでも、地道に業務を遂行しています。
 みなさまも、海に出かける機会がありましたら、白い船体の巡視船を見つけてみてください。
▼東京湾航行ガイド(東京湾の交通ルール)
http://www6.kaiho.mlit.go.jp/tokyowan/others/tokyo_guide/rule/page1.htm
 


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