ボートに乗ったら以下のことに注意して走行中、停泊中関係なく前後左右の見
張りをして下さい。
ミニボードは適正な積載重量であっても、波高が幹舷の高さ程度になると、
走りにくくなり、幹舷が低いため波が船内に打ち込んだりして、危険な状況
になります。白波が見え始めたり、波が高くなってきたら、出来るだけ
早く帰港しましょう。特に横波を受けると転覆しやすくなるので注意しま
しょう。
ミニボードでは乗員が座っていても、船上の重心の位置によっては転覆
しやすくなります。片舷に人がよると、乗員が落水したり、転覆すると言っ
ても過言ではありません。
したがって、船から乗り出して、海上の浮遊物を拾おうとしてはなりませ
ん。また、船内を移動する際も出来るだけ船体中心線を沿うように移動
するようにしましょう。
ミニボートに限らず、船は真横からの大きな波には弱い性質があります。特にミニボート
の場合、波高30cmでも十分に危険なため、真横からの波を受けないように航行しましょ
う。
ミニボードは穏やかな水面にあっても、不安定で揺れやすいボートです。
また積載物が高くなるほど、ボートが傾いた際の水平姿勢を保とうとする
力が失われ、簡単に船体が傾くので注意しましょう。さらに、ほとんどの
ボートは、船体の深さが膝下までしかないため、乗員が船上で立つと、バラ
ンスをとるための手がかり、足がかりがなく、海中転落する恐れがありま
す。ボート上では決して立たず、移動するときは出来るだけ低い姿勢で
動きましょう。
波の前面で船首を水中に突っ込むと、波の圧力でボートが急旋回したり、大量
の水が船内に流れ込み、大変危険な状態になります。それを避けるためには、
波が高いときには、船首を下げすぎないように乗員の座る位置を調整し、次の点に
留意して航行してください。
こういった、波の前面を滑り落ちる状態になると、舵が利かなくなり、前方の波に船首が突っ込み、急旋回、転覆する危険性がありますので、ボートスピードは波のスピードより遅くし、波の前方の傾斜面には長く留まらず、波が船体を追い越していくように走らせる。
ミニボードが安全に航行出来る範囲は、各水域の自然条件にもよりますが、
船体の強度・耐久性・波に対する強さ・エンジンの連続運転時間等を考慮する
と、概ね岸から1km以内、出港地から2km以内の範囲で乗るようにしまし
ょう。
ミニボートで後進するのは、容易ではありません。ボートの後部に重心が集中す
るので、トランサムが沈み込んで幹舷が低くなるのに加え、後進するとボート
にかかる水の圧力によって船尾の波が盛り上がるため、浸水の危険があり
ます。決してフルスロットルで後進してはいけません。
遊泳区域や潜水漁をしている海域で船外機を使って航行すると遊泳者等がプロ
ペラに巻き込まれてしまい、死に至ることがあります。そのような区域では、エン
ジンを停止し、チルトアップした状態でオールを使って航行しましょう。