ロランCとは
電波航法システムは、衛星系と地上系の2系統に分けることができます。衛星系としては、全世界的測位システムのGPS及びGLONASSがあり、地上系のシステムとしては、ロランCがあります。
ロラン(LORAN)Cとは、LOng RAnge Navigation の頭文字をとったもので、長波帯(100kHz)を使用した双曲線航法システムです。
双曲線航法とは、「2つの送信局からの信号の到達時間差が一定の値となる点の軌跡は、その送信局を焦点とする双曲線となる。」という原理を応用した航法です。この双曲線は位置の線(LOP:Line
Of Position)と呼ばれ、2本以上のLOPの交点が観測者の位置となります。
ロランCは、一般船舶、プレジャーボート、漁船等に安全な航行や操業をもたらすために利用されており、広い有効範囲と高い精度をもたらす電波航法システムです。
海上保安庁では、北西太平洋ロランCチェーンとして、伊豆諸島の新島(主局)、沖縄の慶佐次(W従局)および北海道の十勝太(Y従局)の3局の管理運用を行っています。
日本の近海では、中国及び韓国はロランCシステムを、ロシアはチャイカシステム(ロランCに類似)を運用しております。海上保安庁では、有効範囲の拡大および日本周辺海域で同時に2〜4チェーンが利用できるように、隣接国のロランC送信局と連携して運用する国際協力チェーンを構築しています。
|