GPS (Global Positioning System 全地球測位システム)

米国国防省が1970年代後半から軍事目的として開発を進めてきた人工衛星による測位システム。
地球の周回軌道を回る24個の衛星から発信される情報を利用して、利用者の現在地(緯度、経度、高度)が測位できる。
天候に左右されにくく、何時でも簡単に正確な測位ができることから、民間での利用ニーズが高まっていたところ、平成5年(1993年)に米国政府が民間利用に開放したことで、民生機器の普及が急速に進み、今日、移動体の測位システムの世界的スタンダードとして位置づけられ、SOLAS条約(海上人命安全条約)第X章の改正により、船舶に搭載が必要な測位システムに規定された。


ディファレンシャルGPS(DGPS;Differential GPS)

米国が運用しているGPS(衛星を用いた電波航法システム→上記参照)の位置測定精度と信頼性をさらに向上させるため、陸上の既知の固定点でGPSを常時観測し、GPSの誤差補正値(ディファレンシャル値)とGPS衛星の異常やシステムの運用状況等の情報をユーザーに伝送するシステムで、昼夜を問わず高精度な位置測定が可能です。
海上保安庁では、船舶交通のより一層の安全を確保するため全国27箇所にDGPS局を配置し、一部の離島(小笠原諸島等)を除いた日本沿岸全域でサービスを提供しております。
測位制度は、受信機種、DGPS局からの距離、受信環境等の条件にもよりますが、一般的にGPSの場合で10m〜30m、DGPSの場合で約1mと言われています。