●「巡視船」と「巡視艇」の違いをご存じですか?

巡視船と巡視艇の違いは、活動の範囲と船型の大きさで、おおむね次のようになっています。

「巡視船」とは、外洋の広範囲な海域での活動に適した比較的大きい船型

「巡視艇」とは、港内や沿岸などの限られた海域での活動に適した比較的小さい船型

 正式には、「巡視船とは、主として法令の海上における励行、海難救助、海洋の汚染及び海上災害の防止、海上における犯罪の予防及び鎮圧、海上における犯人の捜査及び逮捕その他海上の安全の確保に関する事務に従事するもの」、「巡視艇とは、主として基地周辺海域における上記の事務に従事するもの」と定められています。

ちなみに、海上保安庁に所属する船舶は約400隻で、主に従事する業務ごとに次の3種に大きく分けられます。

① 巡視船や巡視艇などの警備救難業務用船・・・・海上警察活動や捜索救難活動などを行うもの。

② 測量船・・・・海底地形測量や海潮流観測などを行うもの。

③ 航路標識測定船や設標船など航路標識業務用船・・・灯台、航路ブイの維持管理などを行う。

 

●巡視船艇の「記号」と「番号」の意味をご存じですか?

「巡視船」に表示される記号は、「巡視」を意味する英語の「Patrol」(パトロール)の「P」と、大きさの「大・中・小」を意味する「LMS」を組み合わせています。ヘリコプターを搭載する巡視船にはさらに「Helicopter」を表す「H」が付きます。

「巡視艇」の場合は、歴史的な経緯でこれとはやや異なります。大型巡視艇(23メートル型以上)の「PC」は、パトロールの「P」と、「艇」を意味する英語の「Craft」(クラフト)の「C」の組み合わせですが、小型巡視艇の「CL」は、クラフトの「C」と、何故か「大」を意味する「L」が付きます。これはかつて、これより更に小型の巡視艇があり、この2つを「CL」と「CS」の記号で区分したことに由来します。現在、「CS」を表示する巡視艇はありません。

また、番号は原則として建造の順に付けられています。

 船型と記号、及び船名の基準は次のとおりです。

船  型

大きさ等の目安

記     号

船名の基準

巡視船

ヘリコプター搭載型

PLHPatrol Vessel Large With Helicopter

海峡・水道・山・古い日本の国名

10002000トン型

PLPatrol Vessel Large

半島・岬・湾・島・海岸・山

500トン型以下

PMPatrol Vessel Medium

河川・島

200トン型以下

PSPatrol Vessel Small

巡視艇

23メートル型以上

PCPatrol Craft

雪・霧・波・月・雲

20メートル型以下

CLCraft Large

風・花