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所在地 福井県三方上中郡若狭町常神 光り方(灯質) 単せん白光 毎3秒に1せん光 光の強さ(実効光度) 3,700cd(カンデラ) 光の届く距離(光達距離) 12海里(約22km) |
灯台表番号1041の「常神岬灯台」です。 |
常神岬灯台は、若狭湾のほぼ中央部に突出した常神半島の先端に位置する重要標識です。 灯高(平均水面上から灯火の中心までの高さを示します)は244mで、敦賀保安部管内で一番高い所にある灯台(日本で7番目) です。構造物の高さ(地上面から頂部までを示します)は7.2mで、管内でも数少ない四角型灯塔で、どっしりとしています。 |
昭和32年12月26日 | 常神埼灯台点灯 |
昭和42年11月 1日 | 常神岬灯台に改称 |
昭和60年12月19日 | LB30型灯器(レンズ径30cmの回転灯器)を5等不動レンズに変更 |
平成20年12月22日 | 太陽電池化、高光度LED灯器に変更 |
参考 |
古い罫線用紙に書かれた「航路標識経歴簿」小濱港防波堤燈臺(*)・・が保存されています。 これにより「常神埼燈台」の当時の記載内容を紹介します。 |
名 称 | 常神埼灯台 |
所 在 地 | 福井県三方郡三方町大字常神字植木谷36の1番地 |
位 置 | 北緯 35度38分01.4秒 東経135度49分10秒 |
塗色及び構造 | 白色四角形コンクリート造 |
等級及び灯質 | 閃白光 毎12秒に1閃光 |
燭 光 数 | 50,000燭光 |
光達距離 | 28.0海里 |
明 弧 | 全度 |
燈 高 | 基礎上 6.50米(8.38米) 平均水面上 243.30米(245.18米) |
設置点燈年月日 | 昭和32年12月26日 |
施 行 者 | 横濱市鶴見区北寺尾町 光工業株式会社 |
(*) 小濱港防波堤燈臺・・・・・小浜航路標識事務所の前身 |
管理事務所の変遷 | |
昭和24年 4月 1日 | 公設移管(該灯台が福井県知事より海保に移管)を受け、同日より福井県漁業連合協同組合小浜支所内に事務所を置き維持運営 |
昭和26年 3月31日 | 小浜港防波堤灯台事務所並びに吏員退息所を福井県小浜市津島海岸に設置 |
昭和28年 8月 1日 | 小浜港航路標識事務所に名称変更 (福井県内に小浜港・立石埼・敦賀港・越前岬・三国港の5航路標識事務所が発足) |
昭和32年 8月 1日 | 事務所を小浜市津島漁港ビル内に移転(新設の敦賀海上保安部小浜分室と併置) |
昭和37年 4月 1日 | 小浜航路標識事務所に名称変更(ほかに敦賀港→敦賀・三国港→三国に変更) |
昭和42年 6月 1日 | 小浜航路標識事務所廃止、該灯台が舞鶴海上保安部灯台課の所管となる (立石埼航路標識事務所を廃止、敦賀航路標識事務所に統合) |
昭和48年 4月16日 | 越前岬航路標識事務所を廃止、三国航路標識事務所に統合 |
平成 7年 4月 1日 | 福井航路標識事務所発足(福井県内の事務所を統合)、該灯台が所管となる |
平成13年 4月 1日 | 福井航路標識事務所廃止、敦賀海上保安部に統合される |
(太陽電池化後の写真) | ||
LED灯器(高光度) | 分電盤 | 蓄電池 |
(太陽電池化前の写真) |
5等不動レンズ(太陽電池化される前) | ||
5等不動レンズ | 点灯状態 | レンズの上部を開けて電球を交換しました |
電球交換装置(太陽電池化される前) | ||
(太陽電池化される前) 現用球が断線しても自動的に予備の電球に切替わりました。 |
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電球交換装置 電球交換装置(点灯状態) |
灯台用電球(太陽電池化される前)(太陽電池化される前)電球は、鋸埼灯台と同じで、当保安部管内では一番大きな白熱電球を使用していました。 左側は、家庭用の100V-100Wで、右側は、灯台用の100V-500Wの電球です。 |
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有線式灯台監視装置(太陽電池化される前)(太陽電池化される前)NTT回線を利用して、常に灯台の状態を監視、制御していました。 |
蓄電池(太陽電池化される前)(太陽電池化される前)灯台を停電させないため、2V130AHのバッテリーを52個使用し、104Vを得ていました。 |
避雷用電源装置(太陽電池化される前)(太陽電池化される前)配電線への落雷による灯台内部の機器を保護するため、異常な電圧を阻止する装置でした。 |
全景(現在) |
全景(太陽電池化前) |
野生のニホンザル |
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成出付近のニホンザル |
県道216号線(常神半島)の ニホンザル |
県道216号線(常神半島)の ニホンザル |
福井県嶺南地方で比較的、猿に出会う確立が高い場所は、音海(おとみ)半島(高浜町)、内外海(うちとみ)半島(小浜市)、常神半島(三方町)だそうです。 |
灯台からの眺望 |
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番外編(常神の夏に見つけたもの) |
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ニイニイゼミの抜け殻 |
キノコの一種 |
山ブドウ |
ドングリの一種 |
常神名物 |
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天然記念物のソテツ |
常神のソテツ |
常神の夏の風物詩 |
常神の夏の風物詩 |
約1キロの山道を登って頂上に着きました・・。白い四角いどっしりした灯台が迎えてくれます。 心地よい風が山頂を吹き抜けていきます。一息つき周囲を見渡すと高い場所の割には見晴らしが良くないことがあるかもしれません。時期によってほぼ全周に渡り雑木が生い茂っているからです。 航路標識(灯台)は、自船の位置を知る大切な目印となる物で、夜ばかりでなく昼間も目標にされます。島や岬、半島の突端に建つ白い灯台が樹木で覆われると目視物標としての効果が失われ、航行船舶の安全が損なわれるおそれがあります。 そこで「航路標識法」(昭和24年法律第99号)では、『何人も、航路標識(灯台)の付近に視認を妨げる虞のある植物を植えてはならない。違反して植えられた植物や現にあった植物が成長して航路標識の視認を妨げるようになったときは、その所有者に障害となる部分の除去や移植の措置をとってもらうことになる』旨定めているのです(第10条)。 当部においては、航路標識(灯台)の視認状況に問題がないか常に監視しています。常神岬灯台についても視認障害となる可能性がでてきた時点で樹木伐採を数年毎に実施していますが、見晴らしが悪いからという理由で直ちに伐採できる訳ではないのです。 折角、灯台を訪ねていただいた皆様に、絶景をお見せすることができないことがあるのが残念です。 |
余話 |
梅雨が明けた暑い日に灯台の巡回に行って来ました。灯台から下って民宿前で干物にするアジを開いていたご夫妻と世間話をして、灯台にまつわる話を聞きました。 「灯台建設当時、セメント、水、砂利の運搬は村の若い者がみんなで手伝った。セメントも水も砂利も「セタ(背負子)」で背負って運び上げた。水は1斗缶に入れ担ぎ上げた。セメント1袋(40キロ)の日当が一番高かくて1回120円だった。みんなで協力したもんだ。」 「灯台が出来てから毎年欠かさず6月には区の行事として区民総出で灯台までの山道の草刈り、道路の清掃、海岸のゴミ拾いを行っている。」 「春から秋にかけてフグ、カニ料理を目当ての観光客が多く、そのうち頂上(灯台)まで登る人は年間50〜100人ほどいる」 灯台の灯は地元の方々の手によって守られているのです。・・・・常神岬灯台は平成19年に50年を迎えます・・・。 |