大分海上保安部は大分県沿岸海域を管轄とし、その海岸線の延長は約740キロメートルにおよびます。県沿岸海域は瀬戸内海や北九州方面を往来する船舶の通航路であるとともに、豊後水道はアジ・サバなどの好漁場として漁業活動も盛んに行われています。一方、マリンレジャーの普及によりプレジャーボートや磯釣りなど一般市民の癒しの場としても海が利用されています。
また、管内には重要港湾である大分港、別府港、中津港、津久見港、佐伯港を擁し、中でも大分港は大分県の中枢港として年間約3万隻の船舶が入港するなど本県の経済と流通産業にも大きな役割を担っております。
このように管内海域は輸送、漁業、レジャーなど各種船舶が輻輳するとともに、大分港では石油コンビナートを背景に船舶による危険物の積み降ろしも盛んに行なわれております。また、外国船舶も多数入港しています。
このような地域特性の中、当保安部は、津久見分室及び佐伯海上保安署と連携し、海の安全・安心を守るため職員が一丸となって、以下の業務を日夜たゆまず行っています。
海上における犯罪の予防、石油・ガス施設等を重点としたテロ警戒、刑法犯、薬物・銃器事犯、密航などの不法出入国事犯、海事・漁業関係法令違反の取締りなど。
海難の未然防止に向けた貨物船、タンカー、フェリー、漁船・プレジャーボート等への安全指導や関係団体を通じた海難防止講習会、訓練の実施。
港内の安全を図るための危険物を積載した船舶の荷役や海上交通が阻害される工事・作業等に対する規制と安全指導。
海上交通の安全に必要な情報提供、灯台等の航路標識の保守管理業務など。
管内では毎年50隻を超える船舶の海難事故に加えて、船舶乗船者や釣り人などの海中転落や負傷などの事故が数多く発生しています。
このような海難事故の発生に備えた即応体制維持と発生時の人命・船舶の救助など。
大規模自然災害における被災者の救出、人員・救援物資の緊急輸送などの応急活動。
海上での油や有害物質の流出事故等に備えた防災体制の維持と発生時の応急活動。
海洋汚染防止のための環境パネル展示や若年層に対する海洋環境保全教室などを通じた海洋環境保全思想の普及・啓発活動。
船舶からの油・有害液体物質の排出、臨海工場等からの汚水の排出、廃船・建設廃材投棄等の取締りなど。