梅雨時期など濃霧が発生した場合に、自船の位置や帰る方向が分からなくなる事案が多数発生しています。濃霧中、自船の位置が分からないまま、やみくもに航行した場合、乗揚げや他船との衝突の可能性が高くなりますので、気象庁から海上濃霧警報が発出されている海域における運航にあっては、次の点に注意して下さい。
出港前の気象情報の入手
出港前にテレビ、ラジオ、インターネット等から気象海象に関する情報を入手しましょう。その際、航行海域等に海上濃霧警報が発出されている場合は、出港の中止を含め、航海計画を再検討しましょう。
連絡手段の確保
突然の濃霧により、自船の位置が分からなくなった場合などに備え、陸上との連絡が取れるように無線、携帯電話などの連絡手段を確保しましょう。
なお、GPS機能付の携帯電話から海の緊急電話『118番』に連絡すると、発信位置を正確に把握することができますので、救助の迅速性が高まります。
ただし、携帯電話の電波が届く範囲は限られており、自船がいる海域が電波の届く海域なのかを常に確認するよう心掛けてください。
濃霧中の運航について
自船が濃霧に覆われ、自分の位置が分からなくなったり、周囲の状況が把握できなくなったりした場合は、無理して航走せず、停船のうえ、自船の航海計器、乗組員の目、耳を使用した見張りを十分に行うとともに、『118番』に連絡しましょう。
上記状況に至った場合には、他船等との衝突や乗揚げといった事故に遭遇する可能性が高く、避けることも困難となるためライフジャケットを常時着用するようにしてください。
なお、霧の種類によっては、時間とともに移動するものもありますので、慌てず、落ち着いて行動して下さい。