怪我をしている場合の応急処置

 
防波堤やテトラポットなどから落下し負傷している場合の処置

 高い防波堤やテトラポットなどから落下し、負傷している人を見つけたら
適切な応急処置を行い、迅速に医療機関に引き渡しましょう。


1.頚椎損傷

・症状
 手足が麻痺していたり呼吸が弱くなっていたら頚椎損傷を疑う。

・対処法
 1.周囲の安全を確保する。
 2.大きく揺さぶったり不用意に体位を変えない。
 3.地面に仰向けに寝かせてあごを強く動かさない。
 4.呼吸状態が悪ければ下あごをそっと引き上げて気道を確保する。



2.骨折

・症状
 脂汗が出て顔面蒼白になる。ピシッ、ぺキッと骨の折れる音がしたり、患部から先の指先が動かせなくなったりする。

・対処法
 1.患部の安静と固定、清潔にすることにより、腫れや痛みを和らげる。
 2.タオルと雑誌等で固定しそれをテーピングや紐などで巻く。
 3.患部が肘から下の場合は、さらに首から風呂敷や三角巾などをかけ、腕を固定する。
   

    


3.脱臼

・症状
 関節が外れるため、関節の形が変わる。

・対処法
 1.神経も損傷されている可能性があるため、素人の整復は絶対ダメ。
 2.患部をできるだけ動かさないよう固定し、早急に整形外科に連れて行く。


4.出血

・対処法
 1.傷口を心臓より高くする。
 2.止血点もしくは傷口を圧迫する。
 3.傷口を圧迫する際は、ガーゼ、ハンカチ、整理用ナプキン等で圧迫する。
 4.3.のときティッシュやコットンは繊維が細かいため使用しない。
 5.一刻も早く病院へ連れて行く。


たとえちょっとした痛みでも…

 本人が「大丈夫」と言ってもなるべく病院に行かせましょう。事故に遭うとショックや恥ずかしさなどの影響で痛みを感じにくくなります。交通事故などに遭い、その場では全然平気だったのにあとから痛みが出てきたなんて経験ありませんか?
 症状が軽いうちに病院に行けば助かることもありますので、なるべく受診させるようにしましょう。


参考文献 マンガでわかる一次救急救命処置(メディカ出版)