女島は当然ながら自然がとても豊かな島です。ここでは、そんな女島に生息するたくさんの動植物を紹介します。
なんといっても野鳥の天国で、オオミズナギドリ、ウミネコの繁殖地であるばかりでなく、カラスバト、アカヒゲ、コウライウグイス、アカハラダカ(渡り)など珍しい鳥が観察されます。一生に1度出会えたら幸運ともいえる鳥に頻繁に会うことができます。日本国内ではほとんど飛来せず、大陸との間に行き来する鳥の休憩所ともなっている所です。だから、男女群島で地上に降りた鳥の中には疲れきって、人が近づいても逃げない鳥さえみられます。
男女群島には川や池がほとんどないため淡水魚、カエル、サンショウウオ、イモリなどがいません。しかし、湧水が出ている海岸にはサワガニは住んでいます。また、カタツムリはダンジョマイマイという固有種が生息しており、天敵がいないため個体数が非常に多いです。
また、近年ではクマネズミが多くみられますが、これはかつて漁船などから侵入してきたものです。以前にいた猫が少なくなってしまい、ネズミが増えています。
海岸などにはニシヤモリが非常に多いですが、これはえさになっている昆虫が多いことを意味しています。昆虫にはオオギンヤンマなど海上を渡ってくる動物もいます。オオフタホシテントウなどの南方系昆虫が多いです。
近海は岩礁が多いため、良質の漁場となり、大型のメジナ(クロ)やイシダイなどが数多く生息しているため、日本有数の釣りスポットとして有名です。
男女群島にはクロマツやスダシイなどが全くなくモクタチバナ林が発達しています。モクタチバナ林は五島列島にも見られ、特に大瀬崎にはよい群落があります。
男女群島海岸斜面には高さ3メートルほどの木で葉が楕円形のマルバニッケイが黒々と茂っています。これは男女群島を代表する亜熱帯性の樹林で北限に当たります。また、海岸斜面にはビロウがあります。ただし、南の島の代表ともいえる野生のソテツやハイビャクシンなどは見られません。
樹林内や林縁にはクワズイモ、オオタニワタリ、サツマサンキライ、ホウライツユクサ、ハマトラノオ、ダルマギク、ハママンネングサなど珍しい植物が多い。
海岸斜面に発達した草原には5月頃、一見ユリに似た橙黄色の花が一面に咲き渡りとてもきれいです。これはナンバンカンゾウ(別名ワスレグサ)です。長崎県本土などでも栽培されることがあったが、男女群島から移植された物で、本来は男女群島固有植物。