|
当管区の管轄する九州北部海域、山口県西方海域は、海を隔てて韓国、中国等と隣接し、日本海と東シナ海を結ぶ海上交通の要衝である対馬海峡や瀬戸内海の西の入り口である関門海峡、太平洋につながる豊後水道を擁していることから外国船舶の往来が多く、また、外国漁船の操業も多く見受けられます。さらに、玄海原子力発電所、在日米軍基地を始めとする重要施設が多数存在しています。
このような中、当管区では、我が国の秩序や安全を確保するため、重要施設の警戒等のテロ対策、薬物やけん銃などの密輸事犯、密航事犯等の摘発、外国漁船等による密漁の取締り、その他一般法令違反などの海上犯罪の取締りを行っています。 |
七管区海上保安本部では、平成13年9月の米国同時多発テロ事件以降、我が国国内におけるテロの未然防止を図るため、国内の重要施設等の警戒強化など、各種テロ対策を推進しています。
また、テロ対策推進に際しては、国内関係機関や海外治安当局との連携強化を図っています。 |
・ |
玄海原子力発電所、国家石油備蓄基地等のエネルギー関連施設や在日米軍基地等、重要施設の警備強化
|
・ |
港湾危機管理官および港湾危機管理担当官を中心とした各港におけるテロ対策にかかる関係機関との連携
|
・ |
自衛艦、米軍艦船の出入港等に伴う抗議活動への警備等海上における紛争の警備
|
・ |
「国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律」に基づく外国から我が国に入港する船舶の規制
|
・ |
国際航路のフェリー等に海上保安官を乗船させての警戒(警乗) |
|
|
不審船事案に的確に対応するため、巡視船艇の性能・装備の高速・高機能化を順次整備するとともに、不審船対応訓練を周年を通じて実施し対応能力を強化しています。
また、これらの巡視船艇を効率的に運用し、事案発生時の即応体制を確保しています。 |
海上における大規模プロジェクトの推進、外国艦船の我が国への寄港、核物質の輸送等に対して、必要に応じ、巡視船艇・航空機により各種海上紛争事案への対応のため警備を実施しています。
また、こうした海上紛争事案やテロ事案、大量集団密航事案に的確に対応するため、2隻(全国では12隻)の巡視船を「警備実施等強化巡視船」(海の機動隊)として指定し、警備体制の強化を図っています。 |
|
|
国連海洋法条約の締結に伴い、新たな海洋法制が整備され、当管区においても排他的経済水域の設定や領海の直線基線の採用による大幅な領海の拡大(従来の1.5倍)など、海洋を取り巻く環境は大きく変化しました。
また、平成11年1月に新日韓漁業協定が、平成12年6月に新日中漁業協定が発効し、韓国及び中国漁船についても排他的経済水域における操業に関しては、我が国の許可が必要になる等、新たな漁業秩序の時代が始まりました。
一方、未だに外国漁船による違反は多く、日本側排他的経済水域内を違法操業する外国人漁船が後を絶ちません。海上保安庁は、それらの漁船に対し、厳重な立入検査及び取締りを実施しています。 |
|
|
海上における犯罪は、海上における船舶の安全な運航を確保するための海事関係法令違反、国民の生命・財産を脅かす衝突、乗揚げ等の往来危険罪を主とした刑法犯、地域の経済社会に大きな影響を与える犯罪として、暴力団関係者による組織的な密漁事犯、また、環境破壊につながる大量の建設廃材等の産業廃棄物の不法投棄事犯、臨海事業場からの汚水排出事犯など多岐にわたる犯罪があります。
これら海上犯罪に対し、海上という特殊性から捜査は困難を極める場合が多々ありますが、海上保安官は、皆さんの安心で安全な生活を確保するため、日々戦っています。 |
最近の密輸・密航事件は、国内の暴力団組織や国際的な犯罪組織が関与するものが多く、その手口もますます巧妙化しています。これらを水際で阻止するため、積極的な情報収集活動の推進、国内外の関係機関との協力体制の整備、強化を図る一方、巡視船艇・航空機による集中的かつ効果的な取締りを行っています。特に、これらの事犯に対処するため、「国際組織犯罪対策基地」を活用して、機能的かつ広域的な捜査活動を展開しています。 |
|
|
|
|
|
|
|