海の事件・事故は118番
海上保安庁では、緊急通報電話番号「118」番を導入しております。
海上保安庁は、海上における事件・事故の緊急通報用電話番号として、警察の110番や消防の119番のように覚えやすい局番なし3桁電話番号「118番」の運用を2000年5月1日から開始しています。また、聴覚や発話に障がいを持つ方を対象に、スマートフォンなどを使用した入力操作により、海上保安庁への緊急時の通報が可能となる「NET118」というサービスを令和元年11月1日から運用を開始しました。
次のような場合に通報してください。
- 海難人身事故に遭遇した、または目撃した。
- 油の排出等を発見した。
- 不審船を発見した。
- 密航・密輸事犯等の情報を得た。
- 漂流・漂着木造船を発見した。
以上の場合において、「いつ」、「どこで」、「なにがあった」などを簡潔に落ち着いて通報してください。
携帯電話、船舶電話はもちろん、公衆電話、固定加入電話などからもご利用できます。
海難発生から救助まで
このコーナーでは、118番での通報から、救助にいたるまでを、 ドキュメンタリー・タッチで紹介しています。
「はい、海上保安庁118番です。」
「○○島の北西約5海里で、波が打ち込み、転覆しそうだ。助けて!」
「船舶電話、携帯電話の番号、乗組員数、船名、船のトン数、全員救命胴衣を着けること」等を聴き取りまたは指導すると同時に管轄保安部・北九州航空基地へ速報し出動を指示。
北九州航空基地には、航空機による乗組み員の吊上げ救助を踏まえ出動を指示。 A保安部は直ちに巡視船艇5隻、北九州航空基地からヘリコプター2機を出動させました。
船体が傾斜した危険な状況
現場に到着したヘリコプターからの情報によると、貨物船S号は波の打ち込みにより、船体が傾斜し、今にも転覆しそうな状態でした。
現場では、まず最も大切な人命を救助することとしました。
大きく左右に動揺を繰り返すS号の甲板上に、高度な技術を駆使したヘリコプターの操縦技術により、わずかなタイミングを捉え、潜水士を降下させ、1度には13名全員をヘリコプターに乗せられないので、2機のヘリコプターで近くの島に繰り返し搬送することにより、全員を無事救出しました。
救助のため船に接近するヘリコプター
乗組員13名全員を救出後、曳航作業は荒天のため難航し、S号は夜明けまで漂流を続け近くの島に乗揚げる危険も発生しましたが、夜を徹しての潜水士、特殊救難隊、サルベージ会社の作業により無事平穏な海域にS号を無事曳航し、排水作業等実施した結果船体傾斜が徐々に回復し、船体の転覆は回避されました。
その他の海難の例
乗揚げ海難
岩礁地帯の浅瀬に乗揚げた貨物船
救助に来た巡視船と現場調査に向かう搭載艇
火災船
現場到着後、懸命に消火活動を行う巡視艇
海上保安庁では、このように海難発生情報を入手するや、巡視船艇・航空機等を駆使して海難発生から救助完了までを出来るだけ早期に処理できるよう努めております。