明治時代当初我が国の政府は、関係国からの要請を受けて、わが国沿岸海域における主要航路の要所に灯台の建設を推進しました。
開国間もない我が国が、洋式灯台建設の技術を持ち合わせていなかったことは当然であり、またこの灯台建設を西洋の技術者の手を借りて実施することは、ごく自然の成り行きでした。
この作業は、我が国の関係者にとって、土木、建築、機械、天文測位などに関わる技術を学ぶ貴重な機会になりました。
灯台建設が、西洋技術の導入の魁と言われる所以です。
明治期建設の灯台も100年余を経た現在に至って、機能の維持と老朽箇所の改修が課題となってきました。
西洋文化のタイムカプセル的な性格の灯台を保存することは、現代の要請の一つであり、海上保安庁では、保全方法を策定し、保全工事を実施しております。
全国には、明治期に建設された灯台が66基あり、そのうち第六管区内には19基あり、これらを維持、管理しています。 |