離岸流について
離岸流 (リップカレント) とは
離岸流 (りがんりゅう) は、海岸に打ち寄せた波が沖へ戻っていくことで生まれる潮流のことで、リップカレント (Rip current) とも呼ばれています。
砂浜に発生する離岸流
外洋に面した遠浅の長い砂浜の海岸では、波打ち際近くの海底に砂が堆積してサンドバンクが形成されます。サンドバンクを超えて押し寄せた波は沖に戻ろうとして海岸に沿うような流れである沿岸流 (サイドカレント) を形成します。そして沿岸流がサンドバンクの弱い部分を決壊させて沖に流れる通り道 (「みよ」などと呼ばれる) を形成、離岸流が発生します。離岸流の流量、流速は波浪や風の強さ、方向によって変化します。
砂浜の海岸に発生する離岸流は一般的に幅が10~30メートル、沖に向かって伸びる長さが200メートル程度、 流速は1~2m/s程度です。
磯場や防波堤付近に発生する離岸流
磯場の深みや海岸に設置された不変的人口構造物 (防波堤、離岸堤、ヘッドランド等の浸食防止堤) の周囲には常に沿岸流や離岸流が発生しています。海中の構造物が潮流や波浪の流れを阻害することで構造物の周囲に強い潮流が発生、構造物周囲の海底の砂がえぐられて流体積が増加することで流速、流量が増加します。(砂浜の波打ち際に立ったとき、引き波で足の周囲の砂がえぐられていく現象を思い浮かべてみると、この現象がイメージできるかもしれません。)
離岸流の種類
永久型 | 同じ場所に発生している離岸流。不変的な構造物 (防波堤など)、自然物 (岩場、サンゴ礁など) によって発生。 |
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固定型 | 海底が砂の場所で発生する離岸流のうち、発生場所が定着しているもの。数時間~数か月間同じ場所に発生。海象の変化で海底の地形が変わらない限り発生場所は変わらない。 |
一時型 | 河口付近や海底の地形が不安定な場所で一時的に発生し数時間で消失する離岸流。大波、潮の干満、河川の増水などで発生。 |
移動型 | 発生場所が移動する離岸流。風や波、付近の潮流の影響を受けやすい海底が原因で発生。 |
離岸流が発生している場所
- 周りで波が崩れているのにそこだけ波が崩れていないような場所
- 海面がざわつきゴミや泡などの浮遊物が強い流れによって沖へ流されている場所
- 水流で砂が巻き上げられていたり水深が深く海の色が濃いなど、海面の色がほかと違う場所
離岸流に入ってしまったときの対処方法
流れに逆らって離岸流から抜け出すことは難しいため、離岸流に近づかないことが大切です。
もし離岸流に入ってしまったら、流れに逆らわずに流れの脇にある波が崩れている場所 (離岸流の外) へ移動して離岸流から抜け出すことが重要です。また沖まで流されてしまった場合も、離岸流の脇に回り込んで波の崩れている場所へ移動することが大切です。
最終更新: 2022年2月14日